「本当にみなさんのこだわりが詰まっている」藤井美菜が語る『雨の翼』
大切な人との思い出を“雨”に見る透花と、雨の日に辛い思い出がある陽介の出会いと、それぞれの心の動きを描いた『雨の翼』。ユナイテッド・シネマが立ち上げた「みんなの映画プロジェクト シネマプロットコンペティション」の第1回入選作を基にした本作はこれまでと違い、撮影時にはすでにメインテーマ曲とサウンドトラックが完成済み。なおかつスクリーンで流れている映像に合わせて音楽を担当したKUMAMI本人が生演奏でサントラと主題歌を全て披露するという史上初の生サントラ上映も行われるなど、画期的な作品となっている。本作の主人公・透花を演じた藤井美菜に話を聞いた。
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本作では“雨”がテーマとなっているだけに雨のシーンがほとんど。藤井さんは、「その背景のもとに作られたキレイな話だと思いました」と言う。
「雨というシチュエーションに幻想的な、神秘的なイメージを持っています。でも私自身は晴れ女のようで、大事なときに雨が降ったという経験があまりないんです。雨の中の撮影はこの作品が初めてでしたが、私は雨が降ったあとの土の臭いや、しっとりする感じ、空気が浄化された感じが好きです」。
自身が演じた透花というキャラクターを「すごく繊細で影のある女の子」と評する。そうした繊細さを出すために、自分の表情を意識した。
「演技の練習というわけでもないんですが、私は鏡の前でセリフを覚えることが多いんです。でも今回は本当にセリフが少ないので、少しでもセリフがあるシーンは、そこが大事になってきますし、発する言葉が少ない分、重くなると思ったので、表情の部分もすごく重要だと感じていました」。
上映時間が36分と、通常の映画に比べて非常に短い。この時間の中で透花というキャラクターを表現するために苦労する部分もあった。
「時間が短い上にセリフも少ない中、透花の心の動きを表現するのは、やっぱり難しかったです。しかも映画は順番に撮っていくわけではないので、そのシーンごとの心の状態や動きをちゃんと把握していなければならない。ですから、台本は本当に大事に読みました。神秘的な作品で、セリフ自体も普段はあまり使わないような言葉だったりしたので、非日常的な難しさを感じた部分もあります」。
そんな中、力を入れたのは雨の中で踊るシーンだ。
「スクリーンの中の自分が生の演奏で踊るということなので、美しく踊ることを意識しました。このシーンは、監督もすごくこだわっていらしたシーンです。もちろん音楽のこだわりもあって、本当にみなさんの“こだわり”が詰まっているシーンだと思ったので、みなさんの期待に応えられるようにがんばりました。雨に打たれながら長時間の撮影で大変でしたが…(笑)。自分が出演した作品を初めて観るときは、すごく緊張しながら観るんですが、今回の作品はやっぱり生の音楽の力もあって、普通に映画を観る感覚でいられました」。
シナリオや音楽など、作品そのものがある意味、大きなチャレンジだった本作。藤井さんにもきっと、大きなチャレンジとなった部分があっただろう。
「何が違うというわけではないのですが、やっぱり映画で初主演ということで緊張していたかもしれません。でも監督が演技を指導してくださる中で、一つ一つにちゃんと理由を付けて説明していただいたんです。私自身も納得しながら撮影が進んでいったので、少しは成長できたと思っています」。
《photo:Yoshio Kumagai》
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