お気楽なトンデモ政治家が戦争を止める!? 『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
本作の主人公チャーリー・ウィルソンとは、実在するテキサス州選出の下院議員。1980年代の米ソ冷戦期に、アフガニスタンからソ連を撤退させるきっかけを作った男だ。
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ひとりの国会議員がいかにして世界を変えたのか…がこの『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』で描かれるのだが、とにもかくにもチャーリーという男はユニークで破天荒。しかも酒好き、女好き、パーティでプレイメイトやストリッパーとドラッグを楽しむこともしばしば…というお気楽議員なのだ。極めつけは“チャーリーズ・エンジェル”と呼ばれる美人秘書軍団(ちなみに優秀粒ぞろい)を抱えていたり、お堅い議員と比べると「大丈夫?」と心配してしまうような一面も…。
ところが内に秘めているのは、誰よりも平和を望む優しさと揺るぎない愛国心、そして悲劇を見過ごせない正義感。ある日、ソ連に攻められ苦境に立たされるアフガニスタンのニュースを目にしたチャーリーは即行動。彼らを救うためにテキサスで6番目の富豪・ジョアンとCIAのガストと共に極秘作戦を実行に移すのだった…。
チャーリーを演じるトム・ハンクスをはじめ、2度の出産を経て3年ぶりのスクリーン復帰となるジュリア・ロバーツ、そして『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマンというアカデミー賞俳優たちの競演も見逃せない。だが、この映画の一番の衝撃は最後にチャーリーが発する一言にある。後にアメリカの支援がストップし勢力を拡大したタリバン、9.11同時多発テロ首謀者の駆逐を目的にアフガニスタンを侵攻したアメリカ──現在も続いている問題を提示しているこの映画はある意味、とても分かりやすい歴史の教科書と言えるだろう。
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