松山ケンイチ、かっこよくないのに、はまり役!? 『DMC』のロック魂に注目!
カメレオン俳優と言われ、作品ごとに着実にステップアップしている松山ケンイチ。彼が新作『デトロイト・メタル・シティ』で見せるのは、ポップミュージシャンを目指すナヨナヨ男“根岸崇一”、悪魔系デスメタルバンドのボーカル“ヨハネ・クラウザーII世”という、どっからどう見ても似つかない2役。松ケンなのに松ケンじゃない──いつの間にか松ケンが演じていることを忘れてしまうような、原作コミックから飛び出してきたような、見事な変身ぶりに驚かされてしまう。これまで何かと『デスノート』のL役がちらついていた彼だが、今回ばかりはその存在が完全にかき消されている…それほどのはまり役と言えるだろう。
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そんな変身ぶりに加えてすごいのは、何人もの大物ミュージシャンが多く参加していること。オシャレバンドの佐治秀樹はカジヒデキがモデルで、本人も自身のヒット曲「ラ・ブーム」を歌いながらカメオ出演しているし、本タイトルの由来となっている「デトロイト・ロック・シティ」を代表曲に持つ「KISS」のメンバーで世界的ロックスターのジーン・シモンズの出演に至っては夢のよう! もちろん、彼らに引けをとらないライヴステージを見せてくれたクラウザーさんこと松ケンのロック魂も大したものだ。俳優である彼が「そこまで出来ちゃうの!?」と、思わず本人かどうか疑ってしまうライヴは、デスメタル好きでなくとも見入ってしまう迫力だ。
この映画に二枚目的な“かっこいい”松山ケンイチは見当たらないが、これほど個性的かつ両極端な2役を演じた彼は、やはりとてつもなくかっこいい俳優なのである。
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