柔道・野村忠宏「まだ答えは求めないで…」 五輪に懸ける複雑な思いを語る
裕福な家庭で育ち、将来を有望されていながら、全てを捨てひとり荒野で死んでいった実在の青年クリス・マッカンドレスの軌跡、そして死の謎に迫ったショーン・ペン監督最新作『イントゥ・ザ・ワイルド』。9月6日(土)の公開に先駆けて、8月25日(月)、“不屈のハート大集合”と銘打った本作の試写会イベントが行われ、ゲストとしてオリンピック3連覇の記録を持つ、柔道家の野村忠宏選手が上映前のトークショーに登壇した。
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アトランタ、シドニー、アテネとオリンピック三大会連続金メダルという前人未到の快挙を成した野村選手と、最期まで己の信じる道を突き進んだ主人公・クリス。2人に共通するものは、ずばり“不屈の闘志”。野村さんはアトランタ五輪後、恐怖心やプライドのせいで純粋に自分が信じる道を進むのが困難な時期があったことを明かしながら、「本当の幸せ、自由を求めて旅をするのはすごいと思う。クリスの姿に、アトランタ五輪で金を獲った若い頃の自分、周りの言うことに惑わされず、がむしゃらにやっていた頃の自分を思い出しました」と劇中のクリスに自身を重ねて語った。
アテネ五輪から4年。オリンピック4連覇を懸けた北京五輪代表から惜しくも外れながらも現地入りし、2大会連続で2冠を制した競泳の北島康介選手ら後輩の応援に努めた野村選手。「北島康介選手も泣くキャラじゃないのに泣いてましたが、 2度目のメダルへの挑戦はいろんなものを背負っている重たいものですから」と改めて労いの言葉を贈った。
最後に、野村選手は「自分の行く道ややっていることに迷っている人にぜひ観てほしい映画。僕もいまひざの怪我を治しながら正直な道を探しています。だからまだ答えを求めないでほしい…」と複雑な胸中を明かしながらも作品をアピールしてくれた。
『イントゥ・ザ・ワイルド』は9月6日(土)よりシャンテ シネ、テアトルタイムズスクエアほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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