アンソニー・ウォンとフランシス・ンが明かす『エグザイル/絆』驚愕の(?)撮影現場
中国返還間近のマカオを舞台に、かつては親友だった男たちが裏社会の掟に翻弄されながらもがき、彷徨するさまを描いたジョニー・トー監督最新作『エグザイル/絆』。12月の公開を前に主演のアンソニー・ウォンとフランシス・ンが来日し、11月2日(日)に記者会見が行われた。
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開口一番「コンニチハ、オゲンキデスカ?」と日本語で挨拶してくれたアンソニー。撮影中の思い出を尋ねると「あるシーンでフランシスが車を岩にぶつけ、しかもエンジンをかけたまま逃げ出したのは楽しいエピソードの一つですね(笑)。彼は、現場で羊肉のしゃぶしゃぶや中国風のソーセージを料理してくれました。真冬の撮影だったので、すごくおいしかったけど、みんな太っちゃいました」と答えた。
そのフランシスは同じ質問に「共演のラム・シューが占い師のアドバイスでいつも真っ赤なパンツをはいていたんです(笑)。一度、あるシーンでイスから飛び降りた彼が怪我をしてしまったことがあったんですが、その日は赤いパンツをはいてなかったらしいです」と共演者のエピソードを暴露。では、撮影中に最も辛かったことを聞いてみるとフランシスは「撮影が9か月にも及んだことが辛かったですね。僕とアンソニーとラム、それからロイ・チョンの4人はその間、一切ほかの仕事をしていないんです。私たちも辛かったですが、香港の黒社会を描く映画になくてはならない4人がよそで全く仕事を出来なかったということで、香港映画界にとっても辛い9か月だったと思います(笑)」と茶目っ気たっぷりに答えてくれた。
アンソニー曰く「脚本どころか事前にストーリーすらも知らされない状態で、役についての説明も監督からは一切なかった」という今回の撮影。「監督がその場で出した指示を、僕が意をくんで“翻訳”して、ほかの連中にどうすればいいのか伝えた」とか…。フランシスもこれにうなずき、「9か月間で監督との交流は全くと言っていいほどなかったですね(笑)。僕の方から監督に何かを聞く勇気なんてありませんよ! それにアンソニーは教えたがり屋だから、僕らが質問すると喜ぶんです(笑)」と冗談交じりに現場の様子を明かしてくれた。
出来上がった作品について感想を聞いてみると、フランシスは「ラストで仲間たちで撮った写真が映し出され、そこから子供時代の情景に移り変わっていく場面があるんですが、そのコントラストが美しく、感動しました。でもこの作品は、アクションシーンに関しては、ほとんどが1テイクだけで撮影が終わってしまったので、編集作業は大変だったと思います。アクション以外のシーンの撮影では、誰かさんのNGが多くて…」と隣をチラリ。これにアンソニーは「もちろん、NGはわざとです(笑)。先輩として、後輩たちに修行を積ませたかったんです」ととぼけた様子で語り、会場は笑いに包まれた。さらに完成した作品については「撮影中は『本当にこれやるの!?』と毎日がびっくりするようなことの連続でしたので、出来上がった作品を観てもびっくりするようなことは何もなかったです」とクールに語った。
2人の渋い演技と劇中での掛け合いにも注目の『エグザイル/絆』は12月、シネマスクエアとうきゅう、シアター・イメージフォーラムほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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