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ヒョンビン&チョン・ウソン豪華“イケおじ”共演も話題! 男たちの騙しあい&心理戦が面白い「メイド・イン・コリア」レビュー

韓国の2大トップスター、ヒョンビン(「愛の不時着」)とチョン・ウソン(「愛していると言ってくれ」)の豪華共演も話題の「メイド・イン・コリア」がDisney+で12月24日より配信開始。物語の始まりを告げる第1話と第2話を通し、見えてきた作品の魅力に迫る。

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「メイド・イン・コリア」© 2025 Disney and its related entities
「メイド・イン・コリア」© 2025 Disney and its related entities 全 15 枚
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韓国の2大トップスター、ヒョンビン(「愛の不時着」)とチョン・ウソン(「愛していると言ってくれ」)の豪華共演も話題の「メイド・イン・コリア」がディズニープラスで12月24日より配信開始。物語の始まりを告げる第1話と第2話を通し、見えてきた作品の魅力に迫る。

激動の70年代韓国を舞台に、裏社会を操るエリート諜報員と正義を追求する検事の攻防を描いていく本作。そのファーストシーンは、なんと日本から。

ビジネスマンを名乗る謎の男(ヒョンビン)が、飛行機で羽田から福岡へ向かうことになる。男の任務は、ある物が入ったカバンを取引相手に届けること。ところが、乗り込んだ飛行機がテロリストにハイジャックされ、大混乱に巻き込まれてしまい…。

この男の正体が主人公の1人、ペク・ギテであると追々判明するように、サスペンスフルな第1話は物語の進行とともに謎が明かされていくスタイル。一番の謎は、彼が“何者であるか?”だ。ハイジャック事件の渦中に置かれながら、落ち着き払った様子を見せるギテは何者なのか。保安検査もゆるい時代のレトロな機内に銃も刀も持ち込み、大暴れするテロリストたちを相手に、巧みな話術と悠々自適な調子で交渉していく姿が謎を加速させる。

派手な機内アクションもあれば、緊迫感もある第1話となっているが、機長からテロリストまで、日本人役は日本語話者の俳優たちが担当。ほとんどのシーンにおいて、ヒョンビンも日本語を話している。作品全体を通しては日本ロケも行われたそうで、第3話以降にはリリー・フランキーも登場予定。ヒョンビン、チョン・ウソン、リリー・フランキーは、映画『ハルビン』に続いての共演となる。

ペク・ギテ(ヒョンビン)

監督を務めているのは、その『ハルビン』を手掛けたことでも知られるウ・ミンホ。自国の歴史と真摯に向き合い、時代の空気を巧みに再現してきたウ・ミンホ監督が、美術や衣装にも注力しながら世界観を作り上げている。時代を感じさせる客室乗務員の制服はキュートで、タバコを燻らせながらスーツをばっちり着こなすヒョンビンはダンディ。また、ハイジャックの対応マニュアルなど存在しない時代らしく、どこかのん気な反応を見せる政治家たちや、アタフタと不慣れなハイジャック犯たちがユーモラスに描かれているのも作品のカラーになっている。

韓国も巻き込んでのハイジャック事件はギテの知恵と活躍により、第1話が終わる頃には収束。それに伴い、謎に包まれていたギテの正体が明かされる。彼が“裏社会を操るエリート諜報員”であることはすでに公表されているが、劇中で視聴者に示されるのは第1話のラスト。ビジネスマンを名乗り、怪しい荷物を手に優雅な振る舞いを見せていたギテが、実は韓国中央情報部の諜報員であることが分かる。

続く第2話では、70年代当時、大統領直属の機関として諜報活動や対外工作を行っていた中央情報部の実態が描かれることに。

巨大な権力を振りかざし、拷問や脅迫も行いながら国民を恐怖に陥れていた組織の闇と、ギテの複雑なキャラクターが見えてくる。ちなみに、ウ・ミンホが自身の監督作『KCIA 南山の部長たち』で取り上げた“KCIA”は、韓国中央情報部のこと。『KCIA 南山の部長たち』でも、物語の中心にあったのは中央情報部のいびつな権力だった。

メイキング風景 ヒョンビン、ウ・ミンホ監督

本作ではそれに対抗する形で、第2話からもう1人の主人公であり、“正義を追求する検事”のチャン・ゴニョンが本格的に登場。

融通がきかない性格から組織に煙たがられ、出世できない釜山地方検察庁の検事ゴニョンを、チョン・ウソンが演じている。麻薬の密売人夫婦が惨殺された事件を担当することになった彼は、その過程で釜山最大の暴力団を一網打尽にしようと奮起。だが、暴力団はギテが所属する中央情報部釜山支局と繋がりがあり、ここでギテとゴニョンの対立図が浮かび上がってくる。

チャン・ゴニョン(チョン・ウソン)

第1話はギテのモノローグとともに物語が進んだが、第2話ではゴニョンのモノローグも。各々のパートにおいて、心情が垣間見えるモノローグが入るのも作品の特徴となっている。ゴニョンの目線で進むシーンの多い第2話では、変わり者でもある彼の素顔が浮き彫りに。つかみどころのないキャラクターがそうさせるのか、ともに潜入捜査を行うことになる女性部下や彼のアウトロー気質を責める上司とのやり取りなど、クスッと笑えるユーモラスなシーンも随所に見られる。また、犯罪捜査ドラマ色の強いシーンには、第1話に負けず劣らずのアクションが。

フットワークが軽く、やや狂気的ですらあるゴニョンをチョン・ウソンが魅力的に演じ、ギテ=ヒョンビンのカリスマ性に対抗している。ちなみに、女性部下によるとゴニョンは「アラン・ドロンみたい」だそうで、男前の設定。その女性部下がギテの写真を見て「あら、こっちもアラン・ドロン」とつぶやくシーンもあり、作り手が渋い男前同士のバトルを意識しているのが分かる。

第2話後半はバトルの図式がより明確になり、ギテとゴニョンが対面するシーンもある。中央情報部が検察庁に盗聴器を仕掛けて捜査を妨害するなど、相容れない者同士の騙し合い、駆け引きは激化。先の読めない心理戦が今後も描かれていくことを予感させる。その中でやはり注目すべきは、富と権力への欲望をたぎらせるギテと、正義を掲げて彼を追い詰めようとするゴニョンの関係の行方だろう。

時代を貫く戦いに身を投じた2人の物語は、それぞれどんな着地を見せるのか。全6話にわたる攻防をじっくりと見届けたい。


ディズニープラス「メイド・イン・コリア」を視聴する

「メイド・イン・コリア」はディズニープラス スターにて字幕・吹替版で独占配信中(全6話/初回2話、以降毎週水曜配信)。

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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