禁断の世界で翻弄される主人公をユアン・マクレガーが好演 『彼が二度愛したS』
ユアン・マクレガー演じるニューヨークの孤独な会計士が、ハンサムで自信に満ちあふれた弁護士の巧みな誘いに導かれ、エリート向けの秘密デートクラブの世界に足を踏み入れる…。急転する運命にオロオロする主人公がハマる一方、『猟人日記』などでは全裸も辞さない官能演技を披露しているユアンだけに、このミステリアスでいて妖しげな雰囲気を漂わせた設定には否が応にも心惹かれる。しかも、弁護士を演じるのはプロデューサーとしても本作に参加しているヒュー・ジャックマン。ナイスガイのイメージが強い彼が、ダークな役柄に挑んでいるのも見どころだ。
最新ニュース
コラム

会計士のジョナサンがミシェル・ウィリアムズ扮する謎の美女“S”とデートクラブで知り合い、彼女にのめり込んだことから物語はラブ・サスペンスの様相を強めていく。しかしながら、先の読めないスリルにドキドキするというよりは、むしろ禁断の領域に入り込み、混乱を抱える主人公の心情を追った人間ドラマの趣き。孤独で不器用な男が欲望を手軽に満たす方法を知ったものの、やはり不器用に恋心を抱き、手軽ではない事態に巻き込まれていくさまが独特のテンポで綴られている。
ただし、不器用な恋心が鍵となるクライマックスが少々手軽にまとめられ過ぎている感も否めないのだが、そこはユアン・マクレガー以下器用な豪華キャストがカバーしている。
特集
関連記事
この記事の写真
/