元気になれる動物映画vol.2 家族愛と勇気に涙! カラハリ砂漠の小さな勇者
先日、日本の映画産業に僅かながら貢献してきました。劇場に行き、ちゃんと入場料を払って映画を観てきたのです。なんて、自慢にも何にもなりませんが。でも、言い訳させていただくなら、仕事柄、日頃は映画会社が用意してくれたマスコミ用の試写に行くことが多く、観たい作品を試写で見逃したときでなければ、なかなか劇場に足を運べません。でも、一般の“movie-goer”と肩を並べて劇場で観るのはやはり良いものです。観客の入りや反応、劇場の様子、最新作の予告編などをしっかりチェックできるので、定期的に訪れるようにはしています。
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
そんなわけで、今年最初に劇場で観たのが『ミーアキャット』。なぜ今、ミーアキャットなのかという疑問を持ちながら。とはいえ、本編がスタートしてしまえば、そんな心配は無用に。まあ、可愛いの何の。私が観たのは日本語ナレーション(by三谷幸喜)版。字幕を読むという“仕事”が無い分だけ、映像に集中し、ミーアキャットのこんなことからあんなことにまで注目してきました。何しろ、『ディープ・ブルー』、『アース』で世界中の度肝を抜く映像を披露してくれた、ドキュメンタリーの名手BBCの作品ですからね。面白くないはずがないわけです。
映画を観ていてまず目に付くのは、あの印象的な立ち姿でしょう。二本足で立ち、両手をお腹の辺りにブラり。妙に人間っぽいんですよね。さらに時折、人間がしゃがみこむようにお尻座りしたりして。顔形はヒトと全く違うのに、なぜあんなにヒトっぽいのか。仕草や動きに、やけに親しみを覚えるのです。
さらに、気になるのは家族愛。ミーアキャットは群れで暮らす生き物。それは、みんなで協力してリスク回避して生きていかないと命を繋げない、小さい生き物だから。危険を察知するとみんなで協力して子供を守る姿が感動的。子供は次世代を作る社会の宝なのですものね。
そして、驚いたのが、キュートな外見に似合わない勇敢さ。実は、彼らはマングースの仲間だそう。蛇との対決も出てくるのですが、「ちっちゃいからって、バカにすんなよ!」的な獰猛さが素敵。「ハブとマングースの対決」という、どこかで聞いたようなおなじみの対決の代理戦争(?)がそこに展開するのです。可愛いのにけっこう強い。こんな意外性がこれまたいいのです。
「何で今?」と思いつつ観たけれど、大満足だった『ミーアキャット』。そういえば『WATARIDORI』も『皇帝ペンギン』も唐突だったわけですし、面白い動物たちの生態と出会うのに、理由なんて必要ないのかもしれませんね。
この作品、できれば、もしできることならば、誰かと観に行ってみてください。今の時代に薄れつつある家族の絆や、自己犠牲をもいとわない愛など、ミーアキャットの群れに強く見られる“人情”“優しさ”“強さ”が、とても心に響きます。だからでしょうか、観終わった後に、つい誰かと彼らの魅力について語り合いたくなるのです。一人だとちょっと寂しいかもしれません。また、強く主張したいのは、お子さんのいる家庭には特にお勧め、ということ。アニメやコミックの劇場版もいいけれど、やっぱりたくましく美しく生きる野生生物のリアルな生きざまというものは、底知れぬ迫力があります。きっと、子供たちにとっても良い刺激になるのではないかと思いますよ。
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