ユースケ、宮崎あおいの「胸の感触が忘れられない」 主役を差し置きまたも独壇場
協調性はまるでなし、平均年齢47.5歳のオッサンパンクバンドの復活の道のりを、宮藤官九郎が独特の笑いで描いたコメディ『少年メリケンサック』。2月14日(土)のバレンタインデーに本作が遂に公開初日を迎え、宮藤監督と主演の宮崎あおい、佐藤浩市、木村祐一、ユースケ・サンタマリア、田口トモロヲ、三宅弘城、勝地涼、ピエール瀧らキャスト8名が初回上映後の舞台挨拶に登壇した。
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“パンク”という新境地で主演を務め上げた宮崎さんは、満席の会場を前にして「やっとこの日を迎えられてとても嬉しいです。これからみなさんの力でこの映画を大きく大きくしてください」と挨拶。宮藤組の撮影を心底楽しんでいたようだが、いざパンクバンド“少年メリケンサック”との共演の感想を尋ねられると、「うーん…すごくいい現場でしたよね?」と口ごもり、木村さんに助けを求める場面も。そんな宮崎さんと一緒に、長きにわたる本作の全国プロモーションを行ってきた宮藤監督は、観客に向けて「楽しかったですか?」と聞くと、盛大な拍手が返ってきた。「今日は隣で『余命』もやっているのに、こちらを観ていただいてありがとうございます。『余命』を観てからもう一回この映画を観れば、また違った印象になると思います」と冗談を交えて挨拶したかと思うと、片や真面目な口調で「やりたいことをやり続ける難しさとかっこよさを観ていただければ」としっかりメッセージを贈った。
少年メリケンサックの凶暴ベース、アキオ役の佐藤さんは、ライヴシーンが最も印象に残ったようで「エキストラの方も毎回盛り上がってくれたので、エネルギーをもらいました。でも一番すごかったのは、(カメラが回っていない)写真用の撮影のとき。盛り上がりすぎて一曲全部通してやってしまったという、伝説のライヴです」と明かした。もちろん、こちらは写真しか残っておらず、まさに“伝説”と言えそう。一方、ギター・ハルオ役の木村さんは、佐藤さんと兄弟を演じたことがよほど鼻が高かったようで「撮影中はなるべく顔を似せようとしていましたが、いまは気が抜けてるので…」と弁明。これには佐藤さんも苦笑いを見せた。
「みなさんの泣きながらのスタンディングオベーションを、我々もあふれる涙を木綿のハンカチで吸い取りながら見てました。このキャストは本当に仲が良くて、この映画に出たことを忘れないようにと右腕におそろいの錦鯉のタトゥーを入れました」と口から出まかせなのは、実はたった4日間だけの撮影だったユースケさん。印象に残った場面を聞かれれば「あおいちゃんの片胸をつかむシーン。監督にもげるぐらいに揉んでくれと言われて。そのときの感触はいまも残っています」とセクハラまがいの嘘まで飛ばし、全員からツッコミを受けた。この止まらない独壇場にたまらず「お前ちょっと黙っとけ!」とツッコミを入れたのがピエールさん。だが、ユースケさんの口ぶりにつられてか「鼻を折られるシーンでは、実際に監督に缶コーヒーでバコーンってやられてたり、顎は引っ張られるし、最終的には高須クリニックで元に戻しました」と嘘八百を流暢に語り、会場を沸かせた。
こうなると、誰からもまともな話は出ないのか? セリフがほぼないはずのジミー役の田口さんも「ものすごくセリフがたくさんあったので、いろんなところに書いて覚えてました」とコメントする始末。「今日でやっと“少年メリケンサック”を解散することができました。ありがとうございました!」と威勢よく言い放つも、本当は名残惜しいはず…?
一方でバンドの仲の良さを明かしたのは、ヤング役の三宅さん。「高崎ロケのとき、オッサン4人で喫茶店で3時間くらいくだらない話をずっとしてても話が尽きなかった。みんな抹茶ミルクやストロベリーシェイク飲んだりして」と楽しそうに思い出を語ると、キム兄も「『ドラゴンボール』何巻まで読んだ? とかね」と相槌を打ち、全員笑顔で思い出に浸っていた。
そして、ベテラン勢に負けず会場を盛り上げたのが、歌手志望のマサルを演じた勝地さん。これまでの会見でも話してきたように、「歌が下手だったのでそれが反省です」と苦い表情を見せると、全員は「そんなことないよ」と口を揃え、キム兄に至っては「高音が生きてたよね」と苦し紛れのフォロー。果たしてその真偽はいかに? ということで、ここで全員の後押しを受け、劇中で披露するバラード「さくららら」を歌う羽目に…。勝地さんが渋々ながらも、声を張り上げて熱唱を披露すると、笑いを含んだ盛大な拍手がわき起こった。
『少年メリケンサック』は全国東映系にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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