『鴨川ホルモー』×デジハリ 本木監督が予告編に求める“意外性”とは?
先日開催された第1回沖縄国際映画祭にて、“Laugh & Peace”コンペティション部門で、最高賞に当たるゴールデン シーサー賞を受賞するなど、公開前より注目を浴びている『鴨川ホルモー』。このたび、デジタルコンテンツの人材育成スクール「デジタルハリウッド」では、在学中の学生による本作のプロモーション映像コンテストを開催! 4月7日(火)、本作の監督を務める本木克英と野地千秋プロデューサーを審査員に迎えて、事前選考を勝ち抜いた10本の予告編の中からグランプリが決定した。
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本作にも出演しているお笑いユニット、オジンオズボーンの司会でイベントはスタート! 事前選考を勝ち上がってきただけあって、いずれも質の高い作品が並び、各作品を鑑賞、審査する本木監督、野地プロデューサーの口からは時折、感嘆の声や笑いが漏れた。
上映後、別室での長考を経ていよいよ審査発表。まず、審査員特別賞を受賞したのは山田孝之扮する主人公の安倍と、濱田岳演じる安倍の友人・高村の言い合いのシーンを使用した作品。特徴的なのは、この会話シーンを逆回しで使用し、そこに本来とは全く無関係のホモのカップルの口ゲンカを思わせる字幕をあてていることで、本木監督は「通常なら、配給会社がこれを予告編として制作したら、僕は監督として激怒します。そういうあえて挑発的な試みが良かったです。逆回しが韓国語のように聞こえるというのも、映像を見てない人を音で振り向かせるという意味でいいですね」と評価した。
続いて、準グランプリに輝いたのは、野地プロデューサー曰く「バランスがよく、予告編に必要な情報が載っていて、そのまま(予告編として)使える」と太鼓判を押すオーソドックスな一編。
そして、見事グランプリに輝いたのは「派手なシーンだけを繋ぐのではなく独特の視点で描き、本編の中にほんの一瞬だけ入れたパパイヤ鈴木の映像に反応し、そこを面白がって『ホルモーとは何か?』という点とオニ語だけで、この映画の中で何が起こっているんだろうと思わせる作品」と本木監督が絶賛する白黒の映像を交えた作品。この予告編を制作した橋本美祐季さんは「一度映画を観た人が、もう一度観たくなるようなイメージで作りました」と自らの作品について語った。ちなみに、こちらの映像にはオジンオズボーンの2人の出演シーンも一瞬使われており、2人は橋本さんを祝福すると同時に「使ってくれてありがとう!」と笑顔で感謝していた。
本木監督は総評として「全体的に、公式の予告編の影響を受けた作品が多かった。例えば、VFXや鬼などが一切出てこない、俳優の芝居だけで繋いだ作品があっても良かったと思います」とやや辛口のコメントで、次代を担うクリエイターたちの奮起を促した。なお、今回グランプリを獲得した橋本さんの予告編は、本作のDVD化に際して、特典映像として収録される。
『鴨川ホルモー』は4月18日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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