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浅野忠信&香川照之を9時間歩かせた鬼監督を宮崎あおいがつぶらな瞳で骨抜きに!

「孤高の人」、「八甲田山死の彷徨」など山岳を舞台にした数々の名作を世に送り出してきた昭和の文豪・新田次郎の同名小説を、日本映画界を支えてきた名カメラマン・木村大作が初監督作品として映画化した『劔岳 点の記』。6月1日(月)、本作の完成披露試写会が開催され、木村監督をはじめ、主演の浅野忠信、香川照之、松田龍平、小澤征悦、仲村トオル、宮崎あおいが舞台挨拶に登壇、また試写会を前に報道陣向けの記者会見も行われた。

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『劔岳 点の記』完成披露試写会。(左から)木村大作監督、宮崎あおい、松田龍平、浅野忠信、香川照之、仲村トオル、小澤征悦
『劔岳 点の記』完成披露試写会。(左から)木村大作監督、宮崎あおい、松田龍平、浅野忠信、香川照之、仲村トオル、小澤征悦 全 14 枚
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「孤高の人」、「八甲田山死の彷徨」など山岳を舞台にした数々の名作を世に送り出してきた昭和の文豪・新田次郎の同名小説を、日本映画界を支えてきた名カメラマン・木村大作が初監督作品として映画化した『劔岳 点の記』。6月1日(月)、本作の完成披露試写会が開催され、木村監督をはじめ、主演の浅野忠信、香川照之、松田龍平、小澤征悦、仲村トオル、宮崎あおいが舞台挨拶に登壇、また試写会を前に報道陣向けの記者会見も行われた。

主人公の日本陸軍の測量士・柴崎芳太郎を演じた浅野さんは「2年にわたる苛酷な撮影がありました。僕自身、それまで登山の経験もなかったのですが、監督にしがみついて乗り切った感じです。撮影に入って、最初の20日間は休みなしで、『どうなっていくんだろう?』という思いでした。ただ、山小屋の人たちが本当に温かくもてなしてくださり、料理もおいしかったです。山小屋がリラックスできる唯一の救いの場所でした」とふり返った。

同じく陸軍の側夫・生田信役の松田さんは「僕は撮影隊の中でも、一番若かったんですが、木村監督は先頭を切って進んでいくので『これは負けられないな』という気持ちでした。結構、無理をして登ったんですが、山登りは無理しちゃダメですね。地道にリズムを刻んでいかないと…」と苦笑交じりにふり返った。

日本山岳会の小島烏水役の仲村さんは、撮影中に監督の無茶な要望に腹が立ったことは? と尋ねられ「監督に『次回作の構想はあるんですか?』と聞いてみたら、『実は南極で…』とか言い出して、監督の口をふさぐか自分の耳をふさぎたくなりました(笑)」と少し困った表情でふり返った。さらに、仲村さんは矛先を20年来の友人である香川さんへ。「登っているうちに自分のあごから滴っているのが汗なのか雨なのか涙なのか分からなくなっていました。荷物の中には(先に到着してる)香川くんから頼まれた高級ワインのボトルが入っていたんですが、『あいつは俺がこんな道を歩くことを知ってて、こんな荷物を頼んだのか!』と友情にひびが入りましたね」と明かし、会場は笑いに包まれた。

その香川さんは、測量隊案内人・宇治長次郎に扮し、浅野さんと共に最も過酷な条件下での撮影に臨んだ。「つらかったことを挙げれば、1週間くらい話し続けられる」と言う香川さん。「片道9時間歩いて2カットを撮ったときのことは心に残っています。これこそが映画なんだと思いました。朝4時から歩き始めて、もうかなり進んだかなと思ってガイドの方に尋ねたら『10分の2ですちゃ』って言われた瞬間は忘れられません!」とふり返った。

浅野さんはこのときの撮影について「着いたときはムチャクチャ嬉しかったです。すぐにお弁当を食べたんですが、いつも同じメニューを食べてるのに、初めて食べたんじゃないかってくらいおいしかった。撮影になって、監督はカメラをのぞいたら『あぁ、こりゃ良くないね』っておっしゃって、『9時間歩いて何しに来たんだ?』って思いました(笑)」と苦労を明かした。ちなみにこのシーンの撮影は、少し移動したところで無事、行われたとのこと。

小澤さんが演じたのは陸軍大尉の玉井。実際に山に登ることはなかったということで「僕も心の中で登ってました…が、この場にいるのは何か微妙ですね(苦笑)。この作品に関われて嬉しい反面、みなさんの話を聞いてると『登らなくてよかったな』という気持ちにもなります」とほかのキャスト陣に対して、少し申し訳なさそう。

柴崎の妻・葉津よを演じた宮崎さんも「撮影は3日間だけで、山に登ってないのでここに立たせていただいているのが申し訳ない気持ちです」と語ったが、出来上がった作品については「素晴らしい作品になりました。関わらせていただいたことを嬉しく思います」と確かな手応えを感じているよう。男性キャストからは、木村監督の演出の厳しさにまつわる話が多く聞かれたが、宮崎さんに対しては? 「すごい優しかったです(笑)。優しくてかっこよくて…。手元を撮っているときに見た監督の横顔がいまでも忘れられません!」と男性陣とは全く違った様子。69歳の木村監督は「宮崎さんは話を聞くときに、こちらをじーっとつぶらな瞳で見るんですよ。『その目で見られるとドキドキしちゃうんで、あまり見つめないでください』と言った覚えがあります」とデレデレの笑顔で照れくさそうに語った。すかさず浅野さんが「監督は、宮崎さんのアップの日にひげを剃って来ました。山では身だしなみなんか、どうでもいいって感じだったのに!」と明かすと会場は大きな笑いがわき起こった。

「100年前の測量隊と日本山岳会、そして現代の撮影隊が完全にシンクロして出来上がった映画です。観て何かを感じ取っていただく自信が我々にはあります」と木村監督が胸を張って送り出す『劔岳 点の記』は6月20日(土)より全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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