ケイト・ウィンスレットが語る惜しみない“愛” 「ハンナは私の奥深くに生きてるの」
世界各国で感動の涙を誘い、本国ドイツでは教科書にまで取り上げられる大ベストセラー「朗読者」(新潮文庫刊)。大戦後のドイツを舞台に若き青年と年上の女性の“朗読”を通して紡がれる激しくも切ない愛を綴った本作が『愛を読むひと』として映画化された。本作で、ヒロイン・ハンナの36歳から30年にわたる人生を生き抜き、アカデミー賞主演女優賞はじめ数々の映画賞を手にしたのが、ケイト・ウィンスレット。確実に彼女の代表作の一つとなった本作について語ってくれた。
最新ニュース
インタビュー
-
『トンイ』女優ハン・ヒョジュ、ミラノで自由を満喫!飾り気のない姿に“ほっこり”【PHOTO】
-
オスカー・カップル、ケイト・ウィンスレット&サム・メンデス夫妻が破局
-
「短くて面白い」が選ばれる新時代――新たな配信サービスの挑戦

原作、そして役に込める、深い愛
賞レースにおける快挙の前には、本作の生誕の地であり撮影が行われたドイツに、ベルリン国際映画祭での本作のプレミア上映のために凱旋を果たしたケイト。その喜びを興奮気味にこう語る。
「何よりも、ベルリンに戻ることができてとても嬉しいわ。この映画は、本当に特別な人たちと作ることができたし、特別な時間を過ごせたから。大変だったけれど、楽しい時間だったわ。でも私の願いは、私たちがこの小説を正しく映画化したと思ってもらえることなの。それが私たち全員にとってとても重要なことだから。脚本のデヴィッド・ヘアにも、監督のスティーヴン(・ダルドリー)にも、私にも、レイフ・ファインズにも、全員にとってね。だから何よりも、この小説を私たちが称えていることを分かってもらいたいわ」。
「これ以上ないほどに、とても満足している」、心の底から沸きあがる、映画に対する惜しみない愛情と賞賛を口にするケイト。原作との出会いは27歳のとき、それから5年の成熟を経てハンナ役を獲得したが、重すぎる“秘密”を抱えた彼女を演じることにはもちろん、並々ならぬ苦労が伴った。
「奇妙な感覚もあるわ。不思議なのは、私たち全員が映画を撮り終えたという実感がないことなの。去年の1月に撮影は終わったのだけど、とても難しい、重い役だったから、これまで演じてきた役柄以上に感情的にとてもきつかった。自分を解放するのに長い時間がかかったの。実生活に影響を及ぼしてしまうくらいの役だったわ。そして今度は突然、そのことを話す立場になる。それも大変なことなの。私自身のハンナを演じた個人的な経験について語るのだから。そしてこの映画への私自身のつながりをね。奇妙だけど、同時にワクワクしてるわ。もちろん話すのは嫌じゃないけど、少し違和感があるわ」。
「ハンナはまだ、私の奥深くに生きている」
撮影から1年を経てもなお、自身からハンナという女性を切り離すのが難しいと明かすケイト。全身全霊をかけて演じ上げた彼女にしか分からない、ハンナの心の奥底に眠る想いとは…。
「確かアメリカで、11月か12月頃だったと思うのだけど、大きな丸テーブルを囲んでインタビューに答えていたら、誰かが、とても重い質問をしてきたわ。そのとき、インタビューの最中なのに、私は突然、感情的になってしまったの。最悪だったわ。でもそういうことが、続けて起こったの。それは、ハンナが私の奥深くにまだ生きているからだと思った。実際、彼女を自分の中に感じることもあるわ。猛烈に彼女がかわいそうになるの。彼女を許したり、いつも好きだったりするわけじゃない。でも本当に、彼女がかわいそうになる。でも、その理由を説明するのは難しいの。私が彼女を身近に感じて演じてきた経験は、ほかの人たちとは共有できない。とても個人的な経験なの」。
© Splash/AFLO
《シネマカフェ編集部》
特集
関連記事
-
オスカー・カップル、ケイト・ウィンスレット&サム・メンデス夫妻が破局
最新ニュース -
ショーン・ペン、家族のために長期休養を決意
最新ニュース -
愛とは…? オスカー女優ケイト・ウィンスレットの力強い演技に納得『愛を読むひと』
最新ニュース -
『愛を読むひと』スティーヴン・ダルドリー監督 次作はブラピと組んでオスカー?
最新ニュース -
『スラムドッグ$ミリオネア』の子役たち、チャリティ活動で香港訪問
最新ニュース -
苦境から子供たちを救えるか? ダニー・ボイル監督がムンバイの子役たちを訪問
最新ニュース -
家の強制撤去に人身売買疑惑。オスカー受賞作の子役たちが直面する過酷な現実
最新ニュース -
ショーン・ペンが妻との法的別居を申請
最新ニュース -
平井堅のカバーアルバムに収録の名曲が『愛を読むひと』イメージソングに決定
最新ニュース -
ガス・ヴァン・サントが語る『ミルク』「生きてたら大統領に立候補したかもしれない」
最新ニュース -
本木雅弘、滝田洋二郎監督がふり返る『おくりびと』の奇跡と軌跡
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】オスカー勝利チームが、授賞式翌日に向かった場所は…?
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック! 〜イケメン編〜
最新ニュース -
ファッション小噺vol.103 ミッキーにはロキ。あなたのラッキーチャームは?
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】ここが違うよ今年のオスカー!授賞式を盛り上げた芸達者たち
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】オスカー受賞者たちがつけていた白リボンの意味は?
最新ニュース -
思わぬ機会に同席が実現、ブランジェリーナと元妻ジェニファー・アニストン
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】歴史に名を刻んだ人、刻み損ねた人 明暗を分けたのは…
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック! 〜個性派編〜
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック! 〜レッド編〜
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック! 〜ブラック編〜
最新ニュース -
【第81回アカデミー賞】レッドカーペットファッションチェック! 〜ホワイト編〜
最新ニュース -
『スラムドッグ$ミリオネア』作品賞も獲得! 8部門を制覇し完勝で賞レースに幕
最新ニュース -
主演男優賞はショーン・ペン! 壇上でも舌鋒は止まらず「同性愛者に平等の権利を」
最新ニュース -
主演女優賞はケイト・ウィンスレット! 6度目のノミネートで栄冠
最新ニュース -
『スラムドッグ』は止まらない! 監督賞はダニーボイルが受賞
最新ニュース -
本木&広末万感『おくりびと』外国語映画賞受賞! 滝田監督「これが新たな旅立ち」
最新ニュース -
天国のヒースが史上2人目の快挙 助演男優賞受賞! 壇上には家族が登場
最新ニュース -
助演女優賞は『恋するバルセロナ』ペネロペ・クルス「映画は世界をひとつにします!」
最新ニュース -
オスカーを翌日に控え、インディペンデント・スピリッツ・アワードが決定!
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】20世紀最高トークバトルを見事に再現『フロスト×ニクソン』
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】変革の先駆者の内面をショーン・ペンが体現した『ミルク』
最新ニュース -
アカデミー賞有力『ベンジャミン・バトン』脚本家の動画コメントが到着!
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】ミッキー・ローク、アカデミー賞で愛犬に勝利を捧げる?
最新ニュース -
ミッキー・ロークの愛犬、18歳で大往生
最新ニュース -
靴フェチで空港職員を仰天させたミッキー・ローク
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】アンジェリーナの母の顔を目に焼き付けたい『チェンジリング』
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】実力派俳優たちの“闘い”が“疑惑”に拍車をかける『ダウト』
最新ニュース -
英国アカデミー賞発表。受賞結果は順当だが、授賞式は放送事故スレスレ?
最新ニュース -
『ベンジャミン・バトン』D・フィンチャー監督「僕はブラッドの一ファンなのさ」
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】アンジェリーナ・ジョリー、オスカーの夜は愛が大事?
最新ニュース -
毎年恒例、オスカー候補者の昼食会が開催。今年のオスカーはいつもと違う?
最新ニュース -
アカデミー賞の“先輩”菊地凛子がモッくんに授賞式の心得伝授。鍵を握るのはトイレ?
最新ニュース -
ブラピ「男女の愛にはいつか終わりが…」意味深発言の真意は? 報道陣に逆質問も!
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】オスカー候補 予測通り&意外な(?)面々
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】これは運命? ミリオネアへと続く“スラムドッグ”の愛の物語
最新ニュース -
オスカー候補者たちの喜びの声が続々登場
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】候補作発表 ブラピ主演作と『スラムドッグ』が一騎打ち!
最新ニュース -
【アカデミー賞秒読み】名コンビ、レオ&ケイトが理想の先にある夫婦を見事に体現
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】ゴールデン・グローブはオスカーにどう影響する?
最新ニュース -
第66回ゴールデン・グローブ賞結果発表! ケイト・ウィンスレットが女優賞をW受賞
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】ゴールデン・グローブ賞に向け、賞レース発進!
最新ニュース -
【ハリウッドより愛をこめて】ブランジェリーナ、お揃いのグローブ像を獲得なるか?
最新ニュース -
「People」誌が選ぶNo.1セクシー男が来年のオスカー授賞式司会者に
最新ニュース
この記事の写真
/