世界のツカモト、全篇英語で挑んだ21世紀版『鉄男』で“全世界同時”会見
『六月の蛇』や『ヴィタール』など各国の映画祭で高い評価を得て、国内外に熱狂的なファンを多く持つ鬼才、塚本晋也。その名を知らしめた世界的代表作『鉄男』が、誕生から20年のときを経て、21世紀版として生まれ変わった! そのタイトルは『TETSUO THE BULLET MAN』。極秘裏に製作・撮影が行われた本作が、7月23日(現地時間)、米カリフォルニア州サンディエゴにて開催中の世界最大のコミック&ポップカルチャーの祭典「Comic-Con(コミコン)2009」の会場にて“全世界同時”製作発表会見を行った。
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今年でコミコンが40周年とあって、同日にはジェームズ・キャメロン監督による新作3D映画『アバター』のフッテージ上映も行われ、テリー・ギリアム、ピーター・ジャクソンなどハリウッドの有名監督も多く来場。ほかにも宮崎駿やジョージ・ルーカスなど世界の名だたるクリエイターも集結。そんな中、行われた今回の会見には、全米中から熱狂的な≪TETSUO≫ファンが集結。開演1時間前には200名が並び、350名収容の会場がすぐに満席に。映画の内容がここで初めて明かされたほか、会場でしか見ることが出来ないフッテージ映像が上映され、会場は歓声に包まれた。現地入りした塚本監督がファンからサイン攻めにあう一幕も。
本作の舞台は東京。幸せな生活から一変、最愛の息子を謎の男に殺された主人公・アンソニーは、復讐の念に駆られ、怒りに満ちたその体は“鋼鉄の銃器”と化していく——。
『鉄男』とその続編『鉄男II/BODY HAMMER』では、製作、監督、脚本、撮影、編集全てを自ら行った塚本監督。その後、ハリウッドで今回の企画が立ち上がり、クエンティン・タランティーノなども製作に名乗りを上げたそうだが、前作同様、監督は一人で全てをこなす手段を選んだ。さらに、海外を視野に入れた全篇英語での撮影に挑んだが、「アメリカ映画としての≪TETSUO≫を模索し続け、やっともう少しで完成というところまで来ました。今回、その最初のお披露目がこのアメリカの、この賑やかなコミコンで行えるということを非常に嬉しく思います」とコメント。作品について「子供のときから親しんできた大好きなハリウッド映画の、ある種典型的なストーリーテリングの形を借りながら、自分の『鉄男』にあった毒のようなものを包み込んでいく作品。アメリカの方にも観ていただける映画を作ったので、何とか北米で早く公開したい」と興奮交じりにアピールした。
決して続編ではない、全く新しい≪TETSUO≫として世界に発信していく『TETSUO THE BULLET MAN』。果たして、塚本監督の新たなる代表作となるのか? 本作は今夏完成ののち、2010年全国公開予定。
《シネマカフェ編集部》
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