松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」
太宰治の小説を映画化し、先日のモントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の完成披露が16日(水)、都内で開催され根岸吉太郎監督と共に、着物姿の松たか子と浅野忠信が登場。会場は祝福の拍手で彼らを迎えた。
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先の映画祭でも、太宰をモデルにした小説家の大谷(浅野さん)の妻・佐知を演じた松さんに対する絶賛の声が多く聞かれたそうだが、松さんは「監督や脚本に引っ張ってもらったので、ラッキーって感じです(笑)」と謙虚に答えた。この日の着物は「母に相談して譲ってもらった」そうだが、監督は松さんの着物姿を「色っぽい! 映画の中では生活困難で安っぽい同じ着物なので今日は見違えるようですね」と絶賛。浅野さんも「ジーパンとかの普段着に、逆に違和感を感じるくらい着物が似合います」と笑顔で語った。松さんも浅野さんの着物姿を「素敵です! 素敵じゃないと言う人がいるでしょうか? 映画の中でも自然に着こなして、着物を自分のものにしていて、横で見てて幸せでした」とニッコリ。
松さんからは、この映画の中で描かれる夫婦像について「面白かったですね。夫婦とは、血のつながりを持たない最も近い関係。自由でいいんだ、常識で線を引くものではないんだな、とも感じました」と興味深い感想も聞かれた。
この日は、もう一人の“ゲスト”として太宰治が特製のねぶたで登場! おなじみの肘をついて手を顔に当てたポーズの巨大な太宰ねぶたに、会場からはどよめきが。監督は「意外と、(髪型が)ヤンキーっぽいですね(笑)」と感想を漏らした。
浅野さんは、モントリオールで映画を観た人々の反応について「すごく映画好きの方々が集まっていて、観終わった後に『美しかった』と声を掛けてくださる方もいて、ホッとしました」と嬉しそうに語った。監督も「画がきれいでしっかりと撮られている、といった撮影スタッフに対する称賛が嬉しかったです。佐知という“耐える女性”をどう受け止めるのか? と気になってたんですが『分かる、分かる!』って言ってくださる女性の方が多かったです。迷いながら生きている人間の中にある“強さ”を世界が受け止めてくれたんだな、と感じました」と感慨深げ。
芝居の公演中ということで日本で“お留守番”となった松さんは「私はそういう星の下に生まれてるんです…。心はカナダにいました」とちょっぴり寂しげな様子を見せつつ、「(次回は)もちろん馳せ参じたいと思います!」とも。「和服でね」(監督)、「ねぶた持って行きましょう」(浅野さん)と3人ともノリノリ。今後の国際映画祭への期待も高まるところ。
『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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