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永山絢斗インタビュー 「“分かってることなんて何ひとつない”って感じですね」

毎回、少し困ったような表情を浮かべながらポツリポツリとこちらの質問に答えを返す。それなのに、時に口を衝いて出る答えはずっしりとした重みを持ってたりする。どの作品においても観る者に感じさせる、彼の不思議な存在感は、このインタビュー中もしっかりと発揮されていた。俳優・永山絢斗、21歳。映画初主演作『ソフトボーイ』で彼が演じたのは、ソフトボールで全国大会出場を目指す高校3年生。永山さんにとっては数年前に通り過ぎた高校生活最後の夏をいま一度、劇中で経験することになったわけだが、果たして青春の味は——?

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『ソフトボーイ』 永山絢斗 photo:Ryusuke Suzuki
『ソフトボーイ』 永山絢斗 photo:Ryusuke Suzuki 全 3 枚
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毎回、少し困ったような表情を浮かべながらポツリポツリとこちらの質問に答えを返す。それなのに、時に口を衝いて出る答えはずっしりとした重みを持ってたりする。どの作品においても観る者に感じさせる、彼の不思議な存在感は、このインタビュー中もしっかりと発揮されていた。俳優・永山絢斗、21歳。映画初主演作『ソフトボーイ』で彼が演じたのは、ソフトボールで全国大会出場を目指す高校3年生。永山さんにとっては数年前に通り過ぎた高校生活最後の夏をいま一度、劇中で経験することになったわけだが、果たして青春の味は——?

県内に男子ソフトボール部が一校もないことから、創部、即全国大会! という安易な考えから男子ソフトボール部を創設し“ヒーロー”を目指す。そんな男子高校生たちの物語を永山さんは「脚本読んで、単純にムチャクチャ面白いな、と思った」とふり返る。自身が演じたオニツカについてはこう語る。
「普通にどこにでもいる、当たり前のヤツですよね。でも気持ちは痛いほど分かったし、『これは俺にしか出来ない役だ!』って脚本読んですぐ思いました。いや、そう言って自分を奮い立たせようとしているところもあるし、虚勢もありますが(苦笑)。この時期って、仲間がいて、友情とか恋愛とか部活もあって、その上で映画では、オニツカがひとりで自分の行く末についてあれこれ考える様子が描かれてて、それがすごく良かったですね」。

当然ながら、ソフトボールのシーンの練習もあったわけだが、永山さんの腕前は?
「僕、野球は本当に苦手で、元々うまくないんです。だから練習に入る前はすごく不安でした。1回目の練習に行ってみたら、何とかボールを捕れることは捕れる。それはすごくホッとして、でも、打撃は難しくて…。最初にボールがバットにかすったときはすごく嬉しかったのを覚えてます。やっぱりみんなでやると楽しいし、練習後にみんなでご飯に行ったりもして。その上で、現場に入れたのはすごく大きかったと思います。同年代の俳優同士なので、現場でもワイワイ楽しくやれたし。でも、部員たちがすごくはしゃぐシーンで、本番前にみんなではしゃぎ過ぎて本番でテンションが上がらず、監督に怒られたことはありましたね(笑)」。

ちなみに、永山さん自身、オニツカと同じ高校三年生の夏はどんなことを考えて過ごしていたのか? そう尋ねると、少し照れくさそうに数年前の記憶を手繰り寄せてくれた。
「何か、すごい時間の流れ方をしてたんだなと思いますね。あんまり覚えていないんですが、頭の中がとにかく忙しかった気がします。車の免許取らなきゃとか、もうすぐ成人になってしまう、とか…いやぁ、18ってすごい年ですよね。どこか中途半端で、考え過ぎて忙しい(笑)」。

オニツカは料理人になるという夢を持っているが、永山さんも、俳優という仕事を考えるようになったのはこの時期?
「これがきっかけで、ということがあったわけではないんですが、頻繁にそういうことは思ってましたね。ただ、いまだに考えてます、俳優という仕事について。ひとつの現場終わるごとにあれこれ思い悩んで、へこんで…でも、だからこそ『次やろう』って考えて。現場に入る前も、あれこれ考え過ぎてすごく辛かったりしますね…。不思議な仕事ですねぇ…(笑)」。

毎作品、役柄にあまりにハマっているため、役柄の性格が素の永山さんのように錯覚してしまいそうになるが、実際の永山さんはどのような性格なのだろうか?
「うーん…気分屋ですね。マイペースでだらしなくて、怠け者で…って何かダメなことばかりですね(苦笑)。でも、役に入るときってやっぱり自分の持ってる気持ちと近い感情を想像して、近づいていく感じなので、どの役柄も僕の中にある感情だとは思います」。

今年は本作を含め、出演作が5本公開と多忙な日々を送るが、自身の中で変化や成長を感じる部分は? という質問にはかなり長考…。
「だんだん内にこもっていく部分と開放されていく部分があって。ずるくもなっていくかと思えば、『わぁー!』ってはしゃぐような子供みたいな気持ちにもなっていくし…。はっきりと感じるのは月日の流れが早くなったこと。それに対して焦る気持ちもあります。楽しいかと言われれば…そうですね、自分で選んだ道ですし、良い作品や人々に出会いたいって気持ちは常にあります。“分かってることなんて何ひとつない”って感じがしますね、自分のことも含めて」。

考え過ぎたり悩んだり…そんなときの永山さんなりの解決法は?
「僕はそれが結構楽しかったりもします。そういう気持ちが襲ってくるのは大抵は夜なんですが『お、来たな!』って(笑)。客観視して冷静に見つめながら悩みを誘導するような…逆に言うと、そこまで恐ろしい悩み、“ボス”にまだ出会ってないのかな?」

困ったような顔をしつつ、そんな“壁”との出会いを楽しみにしているようにも見えた。



特集:年下のカレ
http://www.cinemacafe.net/special/u25/

《photo:Ryusuke Suzuki》

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