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シネマカフェ的海外ドラマvol.186 オスカー直前!今こそ観たいドラマ 最終回

いよいよ現地時間の日曜夜にアカデミー賞授賞式が開催されますが、『ソーシャル・ネットワーク』の運命は…? という中、『ソーシャル・ネットワーク』に感動したアナタにいまこそ観てほしい傑作ドラマ、「ザ・ホワイトハウス」で描かれる人間ドラマに迫っていきます。

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「ザ・ホワイトハウス」 -(C) 2011 Warner Bros Entertainment Inc. All rights reserved.
「ザ・ホワイトハウス」 -(C) 2011 Warner Bros Entertainment Inc. All rights reserved. 全 4 枚
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いよいよ現地時間の日曜夜にアカデミー賞授賞式が開催されますが、『ソーシャル・ネットワーク』の運命は…? という中、『ソーシャル・ネットワーク』に感動したアナタにいまこそ観てほしい傑作ドラマ、「ザ・ホワイトハウス」で描かれる人間ドラマに迫っていきます。

ここまで、『ソーシャル・ネットワーク』「ザ・ホワイトハウス」の共通項に着目してきましたが、もちろん深遠な人間ドラマが展開するストーリーにも大きな共通項が。『ソーシャル・ネットワーク』ではハーバード大学に在籍するエリート大学生、「ザ・ホワイトハウス」では国の中枢で働くエリート社会人が物語の主人公になっており、そんなエリートな主人公たちのキャラこそがずばり共通項だと言えます。しかも、『ソーシャル・ネットワーク』のマークが人間関係にものすごく不器用なら、「ザ・ホワイトハウス」の職員たちも恋愛に家庭問題に友情に日々悶々。なぜ、政治的な駆け引きで見せる華麗な手腕を対人関係に活かせない? と、歯がゆくなることもしばしば。例えば、大統領のことを思うあまり、仕事中毒に陥りがちな首席補佐官のレオや、皮肉屋のあまり周囲を戦々恐々とさせる広報部部長のトビーは私生活に問題あり。また、政府職員としての切れ味は素晴らしい次席補佐官のジョシュも、恋愛にはとことん不器用なトホホくんで、頼れる秘書のドナとは互いに想い合っているにもかかわらず、何とももどかしい関係を繰り広げています。

つまり、アーロン・ソーキン脚本に登場する主人公たちは、学問や仕事において優秀なエリートではあるけど、いまいち格好悪い面もちらほら。“スマートになりきれないエリート”こそがキーワードになっています。これについて、ソーキン氏に聞いてみました。
「なぜだか僕は、そういった人々をセクシーに見せることに生きがいを見出してきたんだ(笑)。僕は『ソーシャル・ネットワーク』のマークのような天才ではないし、学生時代は(『ソーシャル・ネットワーク』のエドゥアルドのような)友愛会に誘われるタイプでもなかった。でも、決して好感を持てない彼らのストーリーに好意的な態度で耳を傾けたつもりだし、シャイで社会からはみ出しているマークには共感すら覚える。『ザ・ホワイトハウス』の場合も同じだね。そんな不完全な彼らをセクシーとまでは思わないにせよ(笑)、物語の最後には好きになってくれていたら僕の仕事は成功だと言えるんじゃないかな」。

スマートになりきれないエリートたちの物語の裏には、“愛すべきエリート”という一種の矛盾を成立させ、共感を呼ぶ主人公として生み落とそうとするソーキン氏の挑戦がある様子。だからこそ、『ソーシャル・ネットワーク』のラストシーンに心を痛めた観客は多いと思いますし、全7シーズンを通して様々な人間ドラマを繰り広げ、視聴者をキュンとさせたり、ホロリとさせてきた「ザ・ホワイトハウス」の面々の物語にも受け手を魅了する力があるのでしょう。ちなみに、『ソーシャル・ネットワーク』の上映時間は約2時間ですが、「ザ・ホワイトハウス」は1シーズン約22話(1話約45分)×7シーズン! 2時間から感動を得た方は、ぜひぜひ約115時間30分の壮大な感動も味わってみてください。



「ザ・ホワイトハウス<セブンス・シーズン>コレクターズ・ボックス」[DVD](6枚組)
価格:15,750円(税込)
発売日:5月11日(水)
※同日レンタル開始
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ

© 2011 Warner Bros Entertainment Inc. All rights reserved.

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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