2作連続でハリウッドリメイク進行中 あのオスカー監督も認めたフランスの才能に注目
いま、40代のひとりのフランス人監督にハリウッド、そして全世界から熱い視線が送られている。彼の名はフレッド・カヴァイエ。長編監督デビュー作である『すべて彼女のために』があのアカデミー賞監督ポール・ハギスの手によりハリウッドでリメイクされ、『スリーデイズ』として9月に公開を控えるが、その前に8月6日(土)より監督2作目となる『この愛のために撃て』が公開される。実は、この2作目『この愛のために撃て』に関してもすでにハリウッドは、水面下でリメイクを持ちかけており、目下、誰がメガホンを握るかなど交渉中であるというのだ! あのポール・ハギスも認めた才能とあれば、今後、日本でも話題を呼ぶこと間違いなしの新世代のフランス人監督の出現である。
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『すべて彼女のために』はフランスの名優ヴァンサン・ランドンとダイアン・クルーガーの共演で、2008年にフランスで公開されて絶賛を浴び、日本では昨年、劇場公開された。突然、愛する妻が逮捕され、有罪が確定。彼女の無罪を信じる夫が、全てを打ち捨てて、彼女を取り戻すべく戦う姿を描いた究極のヒューマンドラマである。これをアカデミー賞作品賞を受賞した『クラッシュ』の監督であり、『ミリオンダラーベイビー』をはじめクリント・イーストウッド監督作で多くの脚本を手掛けてきたポール・ハギスが、オスカー俳優のラッセル・クロウを主演に迎えてリメイク。わずか3日の間に訪れるたった一度のチャンスを狙って、綿密な脱獄計画の下、刑務所に服役する妻を取り戻そうとするさまがダイナミックに描かれる。
ハリウッドの中でも、緻密な構成と深い人物描写で知られるハギスがその才能を認めたカヴァイエ。そんな彼の監督2作目となるのがまもなく公開となる『この愛のために撃て』である。こちらの主人公も、愛する妻と慎ましく暮らしていた平凡な男。パリ市内で看護師助手をしているサミュエルは、出産間近の妻と幸せな日々を送っていたが、ある日、家に帰った直後、謎の侵入者に殴られ、気を失ってしまう。携帯電話の音で目覚めた彼が電話に出ると妻の泣き声と共に「3時間以内にお前が勤める病院から、警察の監視下に置かれている男を連れ出せ」という脅迫が。妻を救うべく、サミュエルはたったひとりで戦いを挑むことになるのだが…。
パリを舞台にしたフレンチノワールとして話題を呼び、先日のフランス映画祭でも上映されたが、先述のように本作にもすでにハリウッドからリメイクのオファーが届いているという。先日、本作の電話インタビューが行われた際、カヴァイエ監督は「詳細は明かせない」としながらも、ハリウッドリメイクに関して交渉を進めている最中であることを認めた。ハギス&クロウのオスカーコンビを超える監督、キャストの組み合わせもありうるかも? リメイク作品としては名匠マーティン・スコセッシがレオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンら名優を迎え、香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』を『ディパーテッド』として新たに作り上げ、見事、オスカーを受賞している。本作も豪華スタッフ&キャストを迎えて、ヒューマンドラマとハリウッドらしい激しいアクションを組み合わせ、オスカーを狙うというのは十分に考えられる。
まずはこの夏に立て続けに公開となるオリジナル版&デビュー作リメイクで、カヴァイエ監督の世界をたっぷりと味わってみては?
『この愛のために撃て』は8月6日(土)より有楽町スバル座、ユーロスペースほか全国にて順次公開。『スリーデイズ』は9月23日(金・祝)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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