『バトルシップ』浅野忠信インタビュー ハリウッド進出に賭ける、飽くなき情熱
これが人生最大の挑戦に身を置いている男のオーラというものか。特徴的な細い瞳を子供のように輝かせながら浅野忠信はハリウッド進出に賭ける思いを熱く語る。90年代から文字通り、日本映画界を牽引してきたこの男を突き動かすのものとは——? 昨年の『マイティ・ソー』に続いての出演となったハリウッド超大作『バトルシップ』公開を前に浅野さんに話を聞いた。
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「映画が嘘になってはいけない」
『マイティ・ソー』がアメコミを原作とした架空の世界の物語であったのに対し、今回は未知のエイリアン艦隊が相手とはいえ、浅野さんが演じる役柄は日本の自衛艦艦長のナガタ。撮影前には実際に海上自衛隊の基地に足を運び、自衛官から話を聞くなどして役の人物像を深めていったという。
「僕は映画が嘘になってはいけないといつも考えているんですが、リアルな人物に会えば会うほど映画の中で嘘をやっている人が多いなと思ってしまうんです。実際にお会いしてみると自衛官の方もごく普通というか、普段は全然しかめっ面なんかではなくて穏やかでニコニコされてるんですよ。逆にそうした普段の穏やかさに人間としての奥行きを感じるというか、実はこの人の頭の中にはすごい技術が詰まっていて、何か事が起きたら指示を的確に飛ばして部下のみなさんもすごい勢いで動くんだろうな、と。そういうことを感じさせていただけたのはすごく大きかったですね」。
劇中の“主戦場”は各国の艦隊が合同演習のために集結したハワイ沖。物語の始まりとなるパールハーバーは言わずと知れた日米開戦の地である。この地でアメリカ海軍と日本の自衛隊が手を組んで未知なる敵に立ち向かうということに、母方にアメリカ人の祖父を持つ浅野さんは特別な感慨を抱いたようだ。
「やはりパールハーバーで撮影をするとなったときに、70年前に日米がここで戦争をしていたということは嫌でも考えさせられました。そこから互いに築き上げてきた友情があり、僕らはその延長線上で映画を撮影させてもらってるというのはすごくありがたいことであり、感動的でした。映画でも最初はアレックス(テイラー・キッチュ)とナガタはいがみ合っているけど、互いを認め合い勝利に向かっていく。この地にはいろんな思いがあり、その中で僕とテイラーはそれぞれの役を演じることができたんだなと思います」。
ハリウッドの現場で感じる、強い情熱
またハリウッドの映画作りの現場について、日本と比べての潤沢な時間や予算を指し「正直、そこはうらやましいですね(笑)」と素直な感想を漏らしつつ、スタッフやエキストラの一人ひとりに至るまでが自らの仕事に対して抱いている強い情熱に敬意と称賛を口にする。
「みんなハリウッドの頂点でチャンスをもらったからには、それをもっと大きなものにしていきたいと思っているので妥協がない。そこにあるのは、一緒にやっていく中で生まれたものを受け入れ合うという作業なんです。だからダラダラと時間が過ぎることがなく、集中力とクオリティが非常に高いんです」。
緊張の中で映画を創り上げる喜び
浅野さん自身、継続的なハリウッドでの活動を視野に語学における成長を課題に挙げたが、その一方で「日本であれアメリカであれ変わらないこと」として何より重要視するのは、仕事に対するひたむきさ。改めて、自らの俳優としてのスタイルをこう語る。
「当たり前のことですが、自分が現場に立っている喜びを忘れないこと。現場でつらいことがあってもくだらない文句を口にするのではなく、自分がどうチャンスを生かせるのかと考えること。その姿勢を持たないことにはしょうがない。その意味で、僕の中でハリウッドの大作に出るか日本の小さな作品に出るかで大きな違いはないんです。海外で言葉が通じなくて伝えたくても伝わらないということはありますが、逆に言葉が通じるはずの日本で、僕が自分の経験や思いをぶつけても違うテンションで取り組んでる人がいたらそれは伝わらない。それはすごく悲しいことです。僕ら俳優にできるのは演じることだけ。そこには照明さんや撮影監督もいて、そういう方々が反応してくれなければ僕は殺されるようなものですから。同じ緊張感でぶつかり合う中で想像以上のものを作っていきたいんです」。
自分より若い俳優たちに向けてはこんな言葉を。
「何かを止めるのではなく『お前、怒られてもいいからメチャクチャやれよ!』ってささやきたい(笑)。よく分からない中で『これが俳優です』って勘違いして覚えてる若い奴が多いので『バカ、全然違うぞ』って教えてやりたいです」。
日本も海外も巻き込んでの浅野忠信の旅は続く——。
《photo:Yoshio Kumagai / text:Naoki Kurozu》
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