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高倉健、スタンディングオベーションに「感動してます」

高倉健の6年ぶりの主演作『あなたへ』の完成披露試写会が8月21日(火)に都内で開催され、高倉さんを始め、田中裕子、草なぎ剛(SMAP)、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が舞台挨拶に登壇した。

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高倉健の6年ぶりの主演作『あなたへ』の完成披露試写会が8月21日(火)に都内で開催され、高倉さんを始め、田中裕子、草なぎ剛(SMAP)、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が舞台挨拶に登壇した。

『単騎、千里を走る。』以来、久々にスクリーンに帰ってきた高倉さんを観客はスタンディングオベーションでお出迎え。高倉さんは穏やかな笑みを浮かべ、大歓声に応えながらレッドカーペットを歩いた。

壇上に上がりマイクを握った高倉さんは「お暑い中をこんなに大勢…感動してます」と挨拶。そしてこれから初めて映画を観る観客を前に「とても緊張してます。一生懸命やりました。降旗監督がどういうメッセージを込めたのか? 主演でありながら最近やっと分かってきました。情けない俳優です」とユーモアたっぷり告白。高倉さんの一挙手一投足に会場が反応し、笑いと拍手に会場が揺れ動いた。

田中さんは高倉さんとの共演は3度目だが「緊張の連続でした」と述懐。「夫婦の何でもない感じを出すのが難しかったです。でも貴重な時間を過ごさせてもらったと思います」と静かに微笑んだ。

たけしさんは本作と同じ降旗監督の『夜叉』以来、26年ぶりの高倉さんとの共演となったが、以前の共演の際に高倉さんがオフでも現場に現れ、寒い中をストーブに当たらずに見学していたというエピソードを披露。「健さんが『みなさん働いていらっしゃるのに、僕は当たれません』と言うから誰も当たれない(笑)。『お願いですから帰ってくれませんか?』と言ったことがある」と明かす。さらに「おれがラジオで『健さんは現場で座らない』って言ったので、『あんたのおかげで座れなくなった』と怒ってました。それくらい現場に気を遣うし温かい人です」と毒舌交じりに高倉さんとの思い出を語る。これに高倉さんが「訂正します。全部、たけちゃんの作り話で迷惑してます」と割り込み、会場は笑いに包まれた。

長塚さんは意外にも今回が初共演だが、妻役の原田美枝子さんとの撮影最終日の思い出に触れ「高倉さんはオフで『ゆっくりされてるでしょう』という話をしてたら、西日をバックに懐かしいシルエットが現れて。オフの日にわざわざ僕と原田さんの最終日のために花束を届けてくださいました。そういう方です」と嬉しそうに語った。

若い2人も高倉さんとの共演は忘れられない思い出になったよう。これまで幾度となく大観衆の前で歌や踊りを披露してきたはずの草なぎさんだが「人間、緊張しすぎると緊張しなくなるものなんですね」とぎこちない笑みを浮かべる。撮影についても「健さんの隣にいるだけで役者にならせていただいた感じで、お芝居は全然してないです」と苦笑していた。綾瀬さんも「気さくにいろんな話をしてくださり、おいしいコーヒーをごちそうになりました」と感激した面持ちで語った。

東映の助監督時代以来の高倉さんとの付き合いで、これが20作目のコンビ作となる降旗監督は作品について「一昨日、78歳になりましたが、遅ればせながら年を取るとはどういうことか考えながら作りました」と語る。そして「健さんは僕のアイドルで、僕はアイドル映画を撮ってきた。またぜひもう1回、アイドル映画を撮る機会があればいいなと思います」と次回作への意欲を口にすると、客席からは期待を込めた大きな拍手が沸き起こった。

『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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