「勉強、勉強」の韓国教育事情に驚愕! 『コッホ先生〜』試写会に現役教師が登壇
『グッバイ、レーニン!』などで知られる演技派ダニエル・ブリュールを主演に迎えて贈る感動の実話『コッホ先生と僕らの革命』が9月15日(土)より公開を迎える。これに先駆け、教師を目指す人たちを集めて、現役教師たちによるトークショー付き試写会が行なわれ、各国の教育事情について語った。
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1874年、第一次大戦前のドイツ。帝国主義による厳しい規律が国民たちの自由を許さずにいた。そこにオックスフォードから初の英語教師として招かれたコンラート・コッホ。英語に慣れ親しんでもらうべく、サッカーを通して真の教育を貫こうとするコッホだが、まわりの教師、親たちに「野蛮なスポーツだ」と反対され…。
今回、トークショーに登壇したのは東京大学大学院情報学環・水越伸教授、神田外語大学で韓国語を教えるクォン・ヨンギョン准教授と同大学語学専任講師のクリスティ・ウィルチ先生の3名。この日のテーマは、教育現場における「日本と海外の違い」。韓国出身のヨンギョン准教授は「私の学生時代なので、少し昔ですが」と前置きしつつ、「夜遅くまで学校や塾で勉強していました」と語り、「でも、私の生徒も含めて日本はあまり遅くまで学校にいることはないですね(笑)。それは韓国が日本よりも国家とか社会からの影響が強いからだと思います」と考察。オーストラリア出身のウィルチさんも韓国で5年間過ごした経験を持つが、実際に韓国の学生たちは「勉強・勉強・勉強の日々。学校の後も塾に行って、その次に塾での内容についていくための塾に行って…社会の中で学ぶ時間が少ないんです」という激しい受験戦争が繰り広げられる韓国の教育事情を明かし、会場を驚かせた。
さらに、『コッホ先生と僕らの革命』のストーリーのきっかけでもあり、いま日本でも取り沙汰されているいじめ問題について話が及ぶと、顔を曇らせる一同。韓国では厳しい受験戦争のストレスからか、いじめのエスカレート化が深刻な問題になっていると言い「学生たちは苦しい状況の中、学校に通っています」(クォン准教授)と明かす。ウィルチさんも「一番多いのが、無視して“いない者”扱いするものですね。でもオーストラリアの場合は友達や家族に相談しやすいカルチャーがあるので、日本や韓国よりもいじめから抜け出しやすい環境です。やっぱり受験によるプレッシャーや自由な時間がないことが原因で起こっているように感じます」と悲しげな表情を見せた。
本作でも帝国主義が支配する窮屈な社会の中で生きる生徒たちの姿が描かれている。水越教授は本作をふまえ「1874年というのは、(本作の舞台となる)ドイツも日本も遅れて帝国主義でした。ここでは、いまとはまた違った“学校”が描かれています。いじめも現代のものと少し違っています。ただ、日本の多くの学校教育システムは、ドイツの軍隊を育てる機関から入って来たものなんです。だから、日本でも韓国でも間違ったら怒られるんじゃないかとか感じるのはそういうシステムがいまだに底で流れているからなんです」と、日本とドイツの教育現場の意外な関係を明かしてくれた。そして、最後には「しかしこの映画は、そんな中でも将来の夢や希望もしっかりと描かれていました」と、いつの時代も変わらぬ子供たちの未来を思う教師の心に目を細めていた。
今回の試写会を企画・運営したのは神田外語大学の学生たち。“明日のコッホ先生”を目指す来場者のために、この日参加した現役教師たちとの交渉や会場の手配までの一切を彼らが担当した。教育現場からの真摯な言葉に胸を熱くたぎらせながら、イベントの成功に一安心といった様子だった。
『コッホ先生と僕らの革命』が9月15日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
特集:『コッホ先生と僕らの革命』宣伝体験記
http://www.cinemacafe.net/ad/kakumei/
《シネマカフェ編集部》
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