【MOVIEブログ】女性のための官能映画:『レインボウ』
女性の皆さん、子どもの頃の夢は何ですか?
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この映画の主人公アーシュラの子どもの頃の夢は“虹を掴むこと”。封建的な時代に生まれた女性の、自立と自由への憧憬を現しています。ちなみに私は子どもの頃の夢はケーキ屋さんで、まさか30年後に官能映画について熱く語っているとは思いませんでした。
ヴィクトリア時代の英国の片田舎。中流階級の家庭に暮らす女学生アーシュラは、母親のような平凡な人生が嫌で働いて自立したいと願っていた。ある時彼女は、炭坑成金の叔父の紹介でアントンという青年軍人に出会い惹かれ合う。一方、学校の新任体育教師ミス・インガーの、男には縛られないという自由奔放な思想と生き方にふれたアーシュラは、彼女から強い影響を受け性の手ほどきを受ける。ところが、そのミス・インガーがあっさりとアーシュラの金持ちの叔父と結婚を決め、彼女は失望を感じる…。
女性のための官能映画の金字塔的作品『チャタレイ夫人の恋人』でD・H・ロレンスの小説を映像化した巨匠ケン・ラッセル監督が、同じくD・H・ロレンスの小説を映像化したのがこの『レインボウ』です。有名なキャストは出ていませんが、とにかく男女ともに脱ぎっぷりがよいのがヨーロッパ映画ならでは。何故か裸で野山を走るとか森の中での情事とか、ケン・ラッセル監督のお得意のシュチュエーションが満載です。『チャタレイ夫人の恋人』と同様に女性の自立と性の解放を謳った文芸作品ですが、現代日本に生きる女性たちにも共感できる映画ということで、まずは女性の皆さんの主人公アーシュラ度テストをしてみましょう!
Q1. 子ども時代、夢見がちだった。
Q2. 先生とつき合ったことがある。
Q3. しかもその先生は女だ。
Q4. 結婚しても仕事は辞めたくない。
Q5. ヌード・モデルをしたことがある。
Q6. それどころか実は裸族だ。
Q7. 結婚を断ったことがある。
Q8. 一人ではなくいろんな男とつき合いたい。
1つでも当てはまった人はアーシュラの素質ありです。まずはこの映画を観た方が良いでしょう。5つ以上当てはまった人はアーシュラ度がかなり高め。世間一般で言う“幸せ”とは無縁かもしれません。(!)
というのもアーシュラが追い求めている“虹”は、皆さんご存じの通り実態がなく永遠に掴めません。彼女の欲する自由や絶対の愛と同じです。一方、反面教師として登場するミス・インガーは若い頃は適当に性を謳歌し、タイミングを見計らって結婚という手を打つ。自分で自分の人生をコントロールする、ある意味とても賢い女性です。得られない夢に生きるのと器用に人生を設計するのとどちらが幸せかと言われればわかりませんが、社会的にはミス・インガーの方が幸せだと言われてしまうのでしょう。
はたしてアーシュラは、優しい恋人アントンのプロポーズにどう返答するのか?そして彼女が最後に選ぶ道とは…??虹を掴むために再び走り出したアーシュラに幸あれと、心底願います。そして忘れてはいけないのが、最後まで彼女を見守っているのが父親だということ。家族のありがたさをひしひしと感じますね。どんな形にせよ家族を作って維持していくというのは、非常に難しくそして素晴らしい事だなあと思います。
●今週の一言
「妥協して結婚しろというの?」
恋人アントンとの結婚について何かが足りないと愚痴るアーシュラに、夢見がちな事を言わないで彼と結婚しなさいと説くインガー。そしてそれに対してアーシュラが返す台詞。結婚と妥協についての問題、現代の女子会でもやたら耳にする話題なのですが、まさか100年以上前から話し合われている議題だとは!色々と身につまされます…。
放送は映画チャンネルのイマジカBSでご覧下さい!
『レインボウ』
(1989/イギリス/ケン・ラッセル監督/R-15相当)
3月1日(金) 23:00~ほか イマジカBSにて放送
詳しい放送情報はコチラ
イマジカBSのHPはコチラ
《text:Lady M》
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