ブラッドリー・クーパー インタビュー「イケメン」でも「セクシー」でもない魅力?
“世界一セクシーな男”という枕詞が付いて回るが、当人は「自分では何とも言いようがない…」とのこと。そりゃそうだ! いや、むしろそんなフィルターを通してこの男を見ては、その本質を見誤ることにさえなりかねない…
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ポスターに写る自らの姿を指差しつつ「僕と似てないよね(笑)」とおどけるが、主人公・パットを演じる上での外見の“変身”に関してはブラッドリーならではのアイディアが反映された部分も多かったという。
「ウエイトも少し増やしたし、髪を短くしたりヒゲを生やすというのは僕のアイディアだよ。と言うのも、今回の物語は僕が生まれ育ったフィラデルフィアが舞台になっているから、まさに僕自身が子供の頃から見てきた『男ってのはこういうものだろ?』というあの街の男たちのイメージを反映させてるんだ。(演じた)パットはブルーカラーの地域出身の男だけど、実際に一緒に育ったやつらの中にもこういうタイプの男たちはいっぱいいたよ。なぜか髪を短くした男たちが多いんだ(笑)」。
パットの内面部分に加え、監督と徹底的に話し合ったのは「どのようなトーンで描くか?」という点だった。
「物語は2008年という設定になってるけど、まさにその頃はアメリカ全体が不況に覆われていた頃。実際にフィラデルフィアには(ロバート・)デ・ニーロが演じたパットの父親同様に仕事も年金も失い、新たな現実と向き合わなくてはならなくなった人々がたくさんいたんだ。そんな中で登場人物たちが互いに関わり合っていく姿をどう見せるか? 一方で心の病を扱っているけど、重くなり過ぎずコメディの要素も入れたかった。一つのジャンルに絞るのではなく、ドラマとコメディのさじ加減をどうするかということが非常に重要なポイントだったんだ」。
その言葉通り、決して軽くはないテーマについて、パットを始めとする登場人物たちはごく真剣に話しているのに観ているこちらはクスリと笑ってしまうようなシーンがあちこちに見られる。彼らのやりとりが観る者の心をつかみ、迫ってくるのは何よりそこに先の読めないリアルさがあるからだ。
「例えば誰かと会話をするとき、普通は何を言うべきで、何を言うべきではないかは自分でチェックするものだよね。だけどパットとティファニー(ジェニファー・ローレンス)に関してはそういうフィルターがないんだ。何を言ってはいけないかが彼らには分かってない。そういう予測不能なところを楽しんでもらえたんだと思う。そもそも(デヴィッド・O・)ラッセル監督の書いた脚本自体が全くオーソドックスではないし、みんなの意見に耳を傾けるから次々とアドリブが入り込んでくるんだ。役者に対して演技をすることではなく、役としてその瞬間を生きることを求めてくる。監督は現場で常にカメラの横にしゃがみ込んでて、いつもリライトしたセリフの紙を手渡してくるんだけど、そこから日々、マジックが生まれたよ。おかげでいつも監督の姿や影や帽子やらがフレームに入り込んでいて、編集のときにCGで消すのが大変だったらしいけどね(笑)。ディナーのシーンでパットとティファニーが、薬について『あれは飲んだ?』、『あれは最悪だよね?』と盛り上がるシーンがあるけど、あのシーンもほとんどがアドリブなんだ」。
そしてもう一つ、本作でブラッドリーの大きな支えとなったのが父親役を演じたロバート・デ・ニーロの存在。『リミットレス』に続いて再共演となったが、そもそもデ・ニーロの本作への参加はブラッドリーよりも前に決まっており、ラッセル監督にパット役としてブラッドリーを推したのもほかならぬデ・ニーロだったという。
「デ・ニーロの出演が決まっている状況で、パット役をやるはずだった俳優が外れることになって、そのときに彼が監督に『ブラッドリーならできるんじゃないか?』と言ってくれたんだ。それでも最初に脚本を読んだときは正直、『僕には演じきることはできないんじゃないか?』という思いもあって直接、デ・ニーロに相談したよ。そうしたら彼は『絶対にできるからやるべきだ』と断固とした口調で言ってくれた。そこまで言ってくれるならと引き受けたんだ。もちろん『彼の期待に応えられなかったら…』という不安もあったよ。それでも現場で切り札の“エース”を持っているような気持ちでいられたのは、やはり彼が父親役を演じてくれるというところが大きかったと思う。カメラの前で見せるのが怖いと思うようなシーンもデ・ニーロがいたからこそ挑めたし、ありのままの自分をさらけ出せたんだ」。
本作で、冒頭に挙げたような“セクシー”、“イケメン”といったイメージだけではない新たな魅力をしっかりと示してくれたことは間違いない。だが「これまでにない役で新たな境地を開くことができた」と語る一方で、出演作品を選ぶ上でイメージを意識することやあえて変化を求めることはないとも明かす。
「実はこの作品への参加が決まる直前まで、『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングとデレク・シアンフランス監督のコンビの新作の『The Place Beyond the Pines』(原題)に参加してたんだ。さっきも言ったように、今回のパット役に関しては脚本を読んではいたけど、自分にオファーが来るなんて考えてなかったから本当に突然だったんだよ。俳優として常に成長したいし、“チェンジアップ”を求める気持ちも当然もってる。舞台にもまた挑戦したいなと思ってるよ。とはいえ、キャリアの中で瞬間的に『いまはこういう段階にあるから次は…』と意識することはないかな」。
本作のような複雑な内面を表現するドラマはもちろん、『ハングオーバー!』シリーズのような単純明快で成長しないやんちゃな“男子”の役を望むファンも多いが…。オスカーを獲ってもまたああいうおバカな役もやってくれるだろうか?
「もちろん(笑)! 数週間前にちょうど『ハングオーバー3』の撮影を終えたばかりなんだ。(『ハングオーバー!』の)フィルに関しては3本撮ってもうお腹いっぱいだからこれでサヨナラすることになるだろうけど、コメディは好きだし(監督の)トッド・フィリップスも(共演の)ザック・ガリフィアナキスも本当に大好きな奴らだから、またああいうことがやれたらいいよね」。
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