『そして父になる』是枝監督、巨匠スピルバーグに名前を呼ばれ「それだけで大満足」
第66回カンヌ国際映画祭にて、最新作『そして父になる』で「審査員賞」受賞した是枝裕和監督。その嬉しい知らせを携えて、5月28日(火)、日本に帰国。成田空港にて会見を行った。
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6年間育てた息子が取り違えられていたことに悩む父親(福山雅治)を中心に、家族のあり方を問いかける本作。
是枝監督は、帰国して早々に「本日は朝早くからこんなに大勢の方にお集まりいただきありがとうございます。帰国早々空港の通路にカメラマンの方がいらっしゃったので、“こういうこと”だなと実感しております(笑)」と驚きと共に感謝を述べた。
さらに、カンヌのパーティでは審査員団から直接評価を聞いたと言い、「(今年の審査委員長を務めた)スティーブン・スピルバーグさんは、『そして父になる』は映画祭の期間中、何かしらの賞から外そうと思ったことは無かったといってくれましたし、ニコール・キッドマンさんは上映を観て泣いていらっしゃったようで、心に届く話、女優2人が特に素晴らしかったと話してくれました」。
また先日、お祝いコメントを発表した主演の福山さんが「みんなでお祝いしたいです!」と語っていたことについては、「カンヌを発つ直前にメールが来ていて、『忙しい中、コメントありがとう』とメールを返したんだけど、彼のドラマが落ち着いたらみんなで祝いたいと思います」と笑顔を見せていた。
カンヌでの受賞は今回が初めてではなく、2004年公開の『誰も知らない』で柳楽優弥が「主演男優賞」を受賞している。この当時は40代前半。その頃と今回の受賞で何か違いはあったか? という質問には、「カンヌは何の賞をくれるか最後まで教えてくれないんです。前回(『誰も知らない』)はそんなことを考える余裕も無かったのですが、今回は少し賢くなって、カメラがこっちを向いていたので、オレかなと思ったんです(笑)。今回はスピルバーグ監督が名前を呼び上げてくれて、それだけで大満足でした」とニッコリ。
最後に、誰もが気になることだが今回の受賞で、オファーが殺到しているのでは? と聞かれると、「オファーは殺到していないです(笑)」と苦笑を浮かべる是枝監督。しかし、「今回、普段ならあまり接点の無い福山雅治さんとご一緒させていただき、彼がいままで見せたことの無い表情、彼の魅力をどうやって引き出そうということが刺激になりました。今回の取り組みは僕にとっても彼にとっても新鮮だったと思うし、僕自身楽しかったです。オファーは殺到していないので、何かありましたらぜひ(笑)」と話し、集まった報道陣を笑いで包んでいた。
『そして父になる』は10月5日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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