禁酒時代に実在した復讐劇『欲望のバージニア』…不死身の三兄弟の伝説が明らかに!
カリスマミュージシャン、ニック・ケイヴが音楽と脚本を担当し、2012年のカンヌ映画祭で話題をさらったジョン・ヒルコート監督の『欲望のバージニア』。禁酒法時代後期、ギャングや腐敗した警察がはびこる米バージニア州を舞台に…
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トム・ハーディ、ジェイソン・クラーク、シャイア・ラブーフという“くせ者”豪華キャストが演じる3兄弟の驚くべき不死身伝説。長男・ハワード(ジェイソン)は第一次世界大戦時、一個大隊全員が海に沈む中、その地獄からたった一人で帰還。次男・フォレスト(トム)は全米を襲ったスペイン風邪で両親を失うも、彼だけは無事だった。さらには三男・ジャック(シャイア)と共に打たれても死なない、という凄まじい不死身ぶり。そして、3人とも権力にもギャングにも屈しない強いく気高いプライドを持っている。
このボンデュラント兄弟の“バージニアでの伝説”のから、彼らを称えてボンデュラント・ミュージアムまで作られている地元のスター的な存在なのだ。人々は彼らと同じタトゥーを入れ、本作の撮影を覗いては、兄弟のファッションや物語にまで口を出したそうだ。
本作の原作は、バージニアを縄張りとして密造酒ビジネスで金を儲けていた無法者兄弟を描いた、「The Wettest County in the World」(邦題:「欲望のバージニア」)という小説。
作者のマット・ボンデュラントは、シャイアが好演した旺盛な野心を抱き、後に大きな挫折を経験する三男・ジャックの孫だ。兄弟の実話を基に書き上げられたこの小説は、2008年に出版されるや否や大絶賛を浴びた。
マットはあとがきに、「この物語は、家族の様々な秘話、新聞の見出しや記事、裁判の記録に基づいている。と同時に、数十年にわたって伝わるうわさやゴシップも混ざり合っている。私は不確かな記録や曖昧な出来事の奥の“真実”を探ろうとした」と記している。ヒルコート監督は「強烈で生き生きしていて独自性のあるギャング映画が撮りたかったんだ。これはまさしく捜し求めた小説だった」とその出会いを語っている。
ジェイソン、トム、シャイアのほかにも、兄弟が思いを寄せる女性役にはミア・ワシコウスカとジェシカ・チャステイン。さらに、ゲイリー・オールドマン、ガイ・ピアースらが悪役を演じるなど、若手からベテランまでハリウッドの人気俳優たちが顔を揃えている。
アメリカが最も危険だった禁酒法時代を生き抜き、いまなお人々の記憶に残るバージニア州の伝説の3兄弟の話を覗いてみると、これまで知らなかったアメリカが見えてくるかもしれない。
『欲望のバージニア』は、6月29日(土)丸の内TOEI、新宿バルト9ほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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