真木よう子、井浦新との本気過ぎるDVシーン撮影を述懐「魂が抜けたようになった」
週末の公開を控える『さよなら渓谷』の女性限定試写会が6月18日(火)、都内で開催され、上映後には主演の真木よう子と大森立嗣監督が来場し、映画を観終わったばかりの観客の質問に答えた。
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原作は吉田修一が「週刊新潮」に連載した小説。児童虐待の疑いのある事件の発生に際し、容疑者宅の隣人の夫婦が、実は15年前のある事件の加害者と被害者であることが判明。2人の間に流れる彼らにしか理解できない感情をつぶさに描き出していく。
真木さんにとって、映画鑑賞後の観客と向き合うのはこれが初めての機会。客席を見渡し、「そんなに爽やかな感じではないですよね。お察しします」と決して後味のスッキリとした作品ではないだけあって、やや重苦しいムードにも納得の様子。だが、観客から次々と漏れ出てくる映画に対する肯定的な反応に「安心しました。(この日の観客は)女性が多いと聞いて、残酷な許せない事件が描かれているし心配してたんです」とホッとした表情を見せた。
撮影は昨年の夏と秋に行われており、過去の事件の加害者である俊介(大西信満)と暮らしているときの“かなこ”としてのシーンは夏に、過去の回想の“夏美”としてのシーンは秋に撮影された。だが一部、かなこを演じた後にすぐ、夏美に切り替えなくてはならない撮影もあったそうで、かなり精神的にも追い詰められたよう。「役作りではなく、痩せてしまいました。夏美のときは固形物を見ると吐いてしまった」とかなりハードな状況であったことを明かした。
夏美のシーンでは井浦新が演じた夫の激しいDV(家庭内暴力)にさらされるシーンもあるが、「新さんも役に入ったら真面目なので、3回の撮影で3回とも同じような強さでバチーンと叩かれて、そのたびに『ごめんなさい』って(笑)。現場では大丈夫だったんですが、ホテルに帰ってから『あぁ、DVを受けたときってこういう感じか…』って魂が抜けたようになって、慌てて木村カエラちゃんの明るい曲を流したりして、夏美から無理矢理、真木よう子に戻る作業をしました」と壮絶な思い出を明かす。
ちなみに、木村カエラさんは本作を鑑賞しコメントを寄せているが、真木さん曰く、カエラさんは「「『(映画は)すごいけど、どう書いていいか分からない』って迷ってました(笑)」とのこと。
また真木さん自身が歌うエンディング・テーマ「幸先坂」は椎名林檎の作詞作曲によるもの。レコーディングについて尋ねられ、「林檎さんからは『もうちょっとつぶやくように。ハッキリではなく、途切れ途切れの感じで歌ってほしい』とアドバイスをもらいました」と明かした。
大森監督は、本作を作った目的について「何故、かなこと俊介は一緒に住んでいるのか? 小説では吉田修一さんがそれを書いているけど、僕はそれを俳優でやりたかった」と説明。一方で、俊介やかなこの気持ちや結末について解釈を求められると「分かんないんだ、オレも。女心は」と苦笑し、「でも(2人の間に)愛はあったのではないか」と語った。
またラスト近くの俊介が、かなこに呼びかけるシーンに関し、真木さんは、大西さんから“かなこ”ではなく“夏美”と呼びたいと提案されたという。真木さんはこれについて「前日に大西さんから電話で『どうだろうか?』と聞かれました」と明かしつつ、「撮影中、かなこになりきっていて、彼女の気持ちで考えたときに『まだそうじゃない』と思えたので『やめてほしい』と伝えた」と述懐。真木さんと大西さんとの間のこうした細かいやりとりに関しては監督も初耳だったようで、「知らなかった!」と驚いていた。
『さよなら渓谷』は6月22日(土)より公開。
《シネマカフェ編集部》
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