真木よう子がモスクワで会見 主演作『さよなら渓谷』を「誇りに思う」
吉田修一の小説を原作に、7年ぶりに主演を務める真木よう子を迎えて贈る映画『さよなら渓谷』。現在、開催中のモスクワ国際映画祭の「コンペティション部門」に出品され、6月28日(現地時間)、ロシア・モスクワにて…
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かつてのある事件で加害者と被害者の関係であったにもかかわらず、内縁の夫婦として同居する男女の間にある“愛”の形を描き出す本作。
この日、集まった多くのメディアからは、主演の真木さんに質問が集中。男女間の心の葛藤や闇といった部分を炙り出すように描いている本作とあって、中にはヘビーな質問も。
真木さんは、「私自身、とても過酷でした。特に彼女(主人公・かなこ)の人生の中で最も不幸な時期、映画の中では回想シーンになっていますが、その時期を演じていたころが一番辛かったです。食事もままならなくて…」と撮影当時を述懐。
そんなかなこの“最も不幸な時期”を生み出した元凶でありながら、彼女と夫婦となった男・俊介を演じた大西さんは、「自分は男なので、女性の本当の辛さは分からないというのは感じていました。実際に秀介と同じことをしたとしたら、自分はどうするだろう、というのをずっと考えながらの撮影でした。男として、取り返しのつかないことをした中で、どうしたら彼女が前を向けるのか、絶望の中でも光を感じて生きていけるのかをひたすら願って寄り添いました。演じるというよりかは、その短い時間を生きたという感覚です」と“演じる”ことを越えていたとふり返った。
さらに、かなこという役を経て真木さんにはこんな想いが芽生えたのだとか。「この役を演じるにあたり、レイプ事件の本をたくさん読みましたし、資料をたくさん見ました。普段の生活では耳に入ってこないような体験がそこにはありました。ここで言うことではないかもしれませんが、このような体験をする女性が世界から生まれてほしくないと思います。私はかなこを演じて、このような強い女性を演じられたことを誇りに思いますし、困難だったけれども演じきれたことが役者人生の希望となりました」と凛とした表情で語った。
最後に、大森監督は「ほかの人には触れることのきない純粋な愛のようなものに触れられたのではないかと。それを伝えたいと思いました」と作品に込めた想いを語り、記者陣を唸らせていた。
『さよなら渓谷』は有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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