【玄里BLOG】篠田正浩監督『心中天網島』(1969年)
撮影監督の町田博さんとは2回現場が一緒でした。
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町田さんのいらっしゃる現場にはいつも良いカメラがあるんです。F35と確かアレクサだった。
美しい画を撮る撮影監督の生涯の3本ってどんなのだろうと思って聞いたんです。
裸の島、カミカゼタクシー、心中天網島
心中天網島。ATG作品。黒より白が際立つモノクロ。
オープニングクレジット、助監督に小栗康平さんの名前が。「死のとげ」見たかったんだ、松坂慶子さん主演。ビデオしかなくて見れてないの。
もとは人形浄瑠璃を映像化したお話。
遊女小春に入れあげている紙屋治兵衛。でも治兵衛には「おさん」という妻もいるし
小春を身請けするお金もない。二人は小春の兄や店の主人の画策で引き離されてしまうのですが
あまりの治兵衛のふがいなさに怒ったおさんの父によっておさんとも離縁されてしまう。
再び小春を訪ねた治兵衛、ふたりは結局心中するのです。
橋と、切り返した下りの階段で治兵衛と僧侶たちがすれ違うシーン。
俯瞰で撮った遊女の部屋。書のかいてある床。
ラストの鳥居で治兵衛が首を吊るシーン。影絵みたい。
甲斐甲斐しいおさんと遊女小春の二役を演じる岩下志麻さん。
どれもぞっとくるくらい綺麗。これ、実際にあった事件なんですって。
何だか竹の匂いのする、映画。
そういえば吸い寄せられるように入った古本屋で「ATG編集後記」を手にしました。
期せずしてサイン入り。もうどこにあるか分からないな、あの本屋。
玄里
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《text:Hyunri》
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