【特報映像】『もうひとりの息子』…東京国際映画祭でW受賞、10月公開
2012年の東京国際映画祭で審査員全員一致のグランプリに輝き、監督賞もダブル受賞した『もうひとりの息子』。
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イスラエル・テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。18歳になった息子ヨセフが兵役検査を受けたとき、彼が実の子ではないという信じ難い事実が判明する。18年前、湾岸戦争の混乱の中に、出生時の病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。やがてその事実は、相手側の家族にも伝えられる。取り違えられたのは、長年紛争が続く、“壁”で隔てられたパレスチナの子だった。動揺する2人の息子、葛藤する2人の父、そして2人の母は……。
本作で2人の母を演じたのは、『リード・マイ・リップス』『キングス&クイーン』などで知られ、現在フランスで最も尊敬を集める女優のひとりであるエマニュエル・ドゥヴォスと、パレスチナの巨匠マシャラーウィ監督の夫人でもある大女優アリーン・ウマリ。ふたりの大女優のエモーショナルで、知的な演技は、この作品の見所のひとつだ。
また、赤ん坊のころに取り違えられ、今は18歳になった2人の息子には、『ぼくセザール 10歳半1m39cm』など子役時代から活躍するジュール・シトリュクと、本作をきっかけにオファーが殺到したベルギー出身の新鋭マハディ・ザハビ。最新作でハリウッドの演技派フィリップ・シーモア・ホフマンとの共演を果たしたザハビは、演技力はもちろん、そのエキゾチックな美しさも必見となっている。
今回、完成した特報では、取り違えの事実が告知される病院でのシーンに始まり、その繊細な演技が国際的に評価された俳優たちの表情から、育てた子と産んだ子への愛情に板挟みになる親の葛藤や、息子たちの自分のアイデンティティへの悩みが、ひしひしと伝わってくる。
何年も愛情を注いで育ててきたわが子が、もし他人の子だったとしたら……。イスラエルとパレスチナ。背景に中東問題が絡み、対立している両者の間の取り違えで、さらにその衝撃や困難は大きいとしても、『そして父になる』と同様、家族とは何か、愛情とは何かという問いに直面する、普遍的な物語でもある本作。
根深い対立を乗り越え、希望を見い出そうとする人間の強さに、誰もがもう一度、未来を信じたくなる本作の世界観を、この特報映像でひと足早く感じてみてほしい。
『もうひとりの息子』は10月、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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