【美的アジア】“悪いやつら”大集合!チェ・ミンシク&ハ・ジョンウたちの名優が大暴れ
チェ・ミンシクとハ・ジョンウ――。
韓流・華流
コラム
-
「思ったよりお似合い」イ・ジョンソクとムン・ガヨン、香港での目撃談が話題!
-
まるで韓国版「黒革の手帖」? 大ヒットギャング映画『悪いやつら』予告解禁
-
「短くて面白い」が選ばれる新時代――新たな配信サービスの挑戦

“今、韓国映画界を代表する俳優は誰?”と聞かれたら、間違いなくこの2人と言っていんじゃないでしょうか。50代と30代の名実共にノリにのっている男たち。そんな2人の名優が共演したのが映画『悪いやつら』です。
この2人、実は以前にも“超極悪人”を演じているという共通点が…。チェ・ミンシクは、『悪魔を見た』('10)でイ・ビョンホンの婚約者や女性たちを次々と手にかけていく殺人鬼を、ハ・ジョンウも10か月の間に21人を殺害し、“殺人機械”と言われた実在の連続殺人鬼を『チェイサー』('08)で演じています。
どちらも背筋が凍るような残虐っぷりが強烈に焼き付いている方も多いのではないかと思いますが、果たして今回の『悪いやつら』ではどんな“ワル”を見せてくれているのでしょう…?
ストーリーは、1982年、退職危機に陥っていた悪徳税関職員のイクヒョン(チェ・ミンシク)が、巡察中に覚せい剤を発見し、ひと儲けしようと、裏社会を牛耳る若きボス・ヒョンベ(ハ・ジョンウ)と出会い、彼が遠い親戚だったことから人脈の広さと滑稽な交際術を駆使し裏社会に染まり、のし上がろうとする…という内容。
実際に1990年にノ・テウ大統領が組織犯罪を一掃する“犯罪と戦争”宣言をしたことを題材にした本作。イクヒョンを演じたチェ・ミンシクは10キロも増量して役に挑み、肉のついた頬にビールっ腹、脂ぎった肌に、白髪混じりの髪型…と、これぞ“ザ・おやじ!”というべき風袋を見事に作りあげています。
コネや得意の人身掌握術をフルに使い、堅気でもヤクザでもない“ハンパ者”という立場で必死に世を渡り歩く姿は、滑稽でありながら、ギラついた上昇欲も垣間見せています。
一方、ヒョンベを演じたハ・ジョンウは、撮影の度に8時間以上かかったという全身刺青の特殊メイクをほどこし、極道のボスの凄味を表現。と同時に、家族や仲間に何度も裏切られてきた一匹狼の冷酷でありながら純粋性あふれる演技も披露し、その姿はセクシーですらあります。
このまるっきりタイプの異なるキャラクターをそれぞれ鮮やかに演じた、チェ・ミンシクとハ・ジョンウ。彼らだからこそ、のちに血縁を超えた対立シーンは息を呑む展開へと観る者を誘ってくれます。要必見!
また、2人のほかにも劇中では出てくるすべてのキャラクターが“ワル”ばかり。悪い奴ら大集合。“全員悪人”です(笑)。権力を盾に正義を捻じ曲げる者、自らの地位を保持するため見て見ぬふりをする者、抜けがけする者…。
公務員もヤクザも警察も検事も関係なく、80年~90年という時代が彼らを悪に変えていった、そういう時代に生きた男たちがいた…と語りかけてくるようです。
時代に翻弄され、権力に飲まれ、欲望に溺れたが故に起こった…。
そんな裏切りの果ての結末は、“悪いやつら”のはずなのにどこか憐みすら感じてしまうのは私だけでしょうか?
あの時代に生きた“悪いやつら”を見たとき、女である私たちはどんなことを感じるのか。ぜひ、みなさんの心で感じてみてください。
特集
関連記事
この記事の写真
/