西島秀俊&倍賞千恵子、「もっと撮ってほしい」と宮崎駿監督の引退惜しむ
福島県会津地方を舞台に、東日本大震災以前より製作が進められ、幾度かの中断を挟みながらも5年の歳月を経て完成した映画『ハーメルン』が9月7日(土)に公開。主演の西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利、坪川拓史監督が都内で舞台挨拶を行なった。
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廃校になった小学校で静かに暮らす元校長の男と過疎化が進む周囲の村の人々の記憶を、時が流れても変わらずに佇むイチョウの木と共に優しく描き出す。
西島さんは監督の以前の作品を目にしていたそうで「とてつもない映像美でどうやって撮ったのだろうか? と思い、9年の歳月をかけて撮ったと聞いて熱意と狂気を感じました。狂気を持っている方は自分も好きなので」と出演の理由を説明。「今回も5年の歳月をかけていて、紅葉のために1年撮影を待つということが当たり前のように行われる現場は刺激的でした」と満足そうに語る。
倍賞さんは自身のコンサートに監督が初めて訪ねてきたときのことを述懐。「『映画の中でこういう歌を歌ってほしいんです』と仰ってくださったんですが、その歌は、私の中でも大切な持ち歌になりました」と明かし、「狂気もあるけど、あきらめない辛抱強さ、粘り強さがある」と監督の作品に対する姿勢を称賛する。
坪川監督はようやく公開にこぎつけ感無量の面持ちで、西島さん、倍賞さんの言葉に対し「僕がすごいのは、途中で『やーめたっ!』と言わないという1点だけ」と照れ笑い。本作の製作に際し、地元の村では村民による“応援団”まで結成されたが、「震災の日、『これはもう続けられないな』と思ったけど、応援団のみなさんは震災後もそれ以前に増して力をくださいました」と感謝の思いを口にした。
「最近、おばあちゃんの役ばかりだった」という倍賞さんだが、本作は久々の“娘役”。ちなみに、娘役を演じるのは先日、引退を表明した宮崎駿監督作の『ハウルの動く城』に声優として参加したとき以来だという。
倍賞さんは宮崎監督と同年齢であることを明かし、引退表明の言葉を受けて「そんな風に仕事について考えていたのか? と思いました。もっともっとたくさん作っていただきたい」と残念そう。相手役のハウルの声を木村拓哉が務めたが「あのときはラブシーンまでありました」とニッコリ。当初の予定では木村さんと一緒のアフレコ収録の日がなかったそうで、「『1回も会わずに終わるのね』と言ったら、『じゃあ一緒の日を作りましょう』となった」と明かす。
西島さんは公開中の『風立ちぬ』に主人公の同僚で親友の飛行機設計士の声を担当しており、「これでまたいつか(宮崎監督作品に)呼んでいただけるかな? と思ってました。もっとたくさん撮っていただきたいというのが正直な気持ちです」と寂しそうに語っていた。
『ハーメルン』はユーロスペースほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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