【トロント映画祭】「最高賞」はブラッド・ピット製作映画『12 years a slave』
9月5日より11日間にわたり開催された第38回トロント国際映画祭が9月15日(現地時間)、閉幕を告げた。“アカデミー賞の前哨戦”として注目される本映画祭の最高賞とされる「ピープルズ・チョイス・アワード」(観客賞)には…
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ノン・コンペティションを基本とし、観客の投票によって最高賞を決定する本映画祭。近年の受賞作には、『世界にひとつのプレイブック』や『英国王のスピーチ』、『スラムドッグ$ミリオネア』などのオスカー受賞作が並ぶ。
本年度の最高賞に輝いた『12 years a slave』は、1841年に誘拐され奴隷として売られた一人の黒人男性が自由を獲得していくまでの12年間の実話を基にした感動作。奴隷制度というアメリカの歴史の真実を辿ると共に、家族との再会のために諦めなかった男の勇気と希望を鮮烈に描き出す。主演のキウィテル・イジョフォーを始め、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・ガンバーバッチ、ヴィオラ・デイヴィスら錚々たるキャストのほか、ブラッド・ピットが製作・出演に名を連ねている。
本作に準じ、観客票を多く集めたのはこちらも実話を基にしたスティーヴン・フリアーズ監督(『クィーン』)最新作『あなたを抱きしめる日まで』。大女優ジュディ・デンチとスティーヴ・クーガン共演で、カトリックに誓いを立てたアイルランド人女性がかつて手放した一人息子を、50年の歳月を経て元BBCのレポーターと共に異国の地、アメリカへ探しに行くハートフル・ドラマ。続いてヒュー・ジャックマン×ジェイク・ギレンホール共演のサスペンス・ドラマ『Prisoners』(原題)が第3位となった。
同様に観客賞が設けられた「ドキュメンタリー映画部門」では、30年にわたる独裁政権を覆したエジプト革命の裏側に迫った『The Square』(原題)が最高賞を受賞した。
連日、多くの映画ファンが列をなし、熱狂的な賑わいを見せていた本映画祭。観客たちによる評価が今後の受賞レースにどう影響してくるのか、注目が集まる。
《text:Izumi Kakeya》
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