サンダンス映画祭受賞!『息もできない』超えのタブー描く韓国映画『チスル』
2013年韓国で、ヤン・イクチュン監督『息もできない』が持つインディペンデント映画を超える大ヒットを記録した、韓国映画『チスル』の公開が決定。モノクロ映像で“歴史的タブー”…
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タイトルの『チスル』とは、本作の舞台であり、現在はリゾート地として知られる韓国・済州(チェジュ)島の「ジャガイモ」を意味する方言。本作は、1948年、3万人以上ともいわれる島民が虐殺された「済州島4・3事件」を描いた衝撃の実話で、負傷した軍人にまでジャガイモを差し出すような島民の温かさと、戒厳令が下された中で生きる人々の恐怖や葛藤を、モノクロ映像で淡々と描く。
太平洋戦争後、南北に分断された朝鮮半島。1948年4月3日、南朝鮮だけで行うアメリカ主導の単独選挙に反対する済州島の一部島民たちが、武装蜂起する。それに対し、米軍政と韓国の軍警は「海岸線5Km以外にいる人間は暴徒と見なし、無条件で射殺せよ」という戒厳令を宣言、“鎮圧”という名の無差別な虐殺が始まった。弾圧は1954年まで続き、3万人以上の罪なき島民が犠牲となる…。
本作は、韓国の“タブー”といわれる歴史的悲劇「済州島4・3事件」を描きながらも、『息もできない』の動員記録を塗り替える興行成績で独立系作品としては異例の大ヒット。釜山国際映画祭では「NETPAC賞」「市民評論家賞」「映画監督組合賞」「CGVムービーコラージュ賞」の4部門を受賞した。
さらに、オランダ・ロッテルダム国際映画祭、フランス・ヴズール国際アジア映画祭など世界からも注目を集め、インディペンデント映画祭としては世界最大規模のサンダンス映画祭では、昨年、韓国映画として初めて「審査員大賞」も受賞している。
『チスル』は3月下旬より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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