【MOVIEブログ】2月オススメ映画『ダラス・バイヤーズクラブ』『ラッシュ/プライドと友情』ほか
2月のイチオシはアカデミー賞主演&助演W受賞期待の『ダラス・バイヤーズクラブ』とロン・ハワード監督『ラッシュ/プライドと友情』。潜入捜査官もの『新しき世界』もご紹介…
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『ダラス・バイヤーズクラブ』
マシュー・マコノヒーだということを忘れるほどの演技。彼が演じたロン・ウッドルーフという人物のことが、どうしようもなく好きになり、物語に没頭した。HIV陽性の診断を受け、余命30日を告げられるロン。この絶望的な状況でも、人に頼らず、自分で学び、動き、あきらめない彼の生き様が、周りを巻き込み、凝り固まった価値観を壊し、そして自分自身も変わっていく。死は着実に近づいているのに、どんどん生き生きと見えてくる。個人が権力や社会に立ち向かう姿は痛快で、悲劇を感じさせない爽快感がたまらない。映画のテンポも良い、編集も監督自身によるものだと知り驚いた。評判通りに素晴らしいジャレッド・レト扮するレイヨンはとてもチャーミングで、素朴な女医を演じたジェニファー・ガーナ―の可愛さに気付いた。やはり映画はキャラクターが魅力的だと面白くなる。
好きな女性へのアプローチにはユーモアを忘れない。最高だぜ、ロン。
『ラッシュ/プライドと友情』
ずっと手に汗握りながらスクリーンに釘付け。レースシーンの尋常じゃない緊迫感、死と隣り合わせなF1の恐ろしさを知った。対照的な二人の天才ドライバー、ジェームス・ハントとニキ・ラウダ。極限の世界で命を懸ける男たちのドラマはとにかく熱く、重い。凄まじいエンジン音と共に彼らの気持ちがビシバシ伝わってくる。より感情移入したのは賢明なニキ・ラウダ。冷静な男の決断力と内なる闘志に惚れた。瀕死の重症からの奇跡の復帰は分かっていても胸が熱くなる、しかもこれが実話だという驚き。ロン・ハワードの映画って安心感というかお手本のようで、いつもハズレがない、盤石の演出が心地良かった。シリーズの勝敗を決める最終戦スタートライン、交わした視線がライバル二人の全てを伝える。しびれた。
『新しき世界』
『悪魔を見た』『悪いやつら』と強烈キャラが続いたチェ・ミンシク扮する警察官は、やっぱり一筋縄ではいかない男。正義の為とはいえ、汚いやり口はどちらが悪人か分からないくらい。そんなボスにヤクザの世界へ送り込まれた潜入捜査官に観客の気持ちが乗る。10年近くにもなる生き地獄のようなモグラ生活の中で築かれる兄貴分との友情。苦悩の連続で常にこわばった表情の主人公がたった一度だけ見せる笑顔、あまりにやるせない。映像の力は弱いが、脚本の勝利。
本日公開『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』『ホビット 竜に奪われた王国』は3月の紹介候補に回します、楽しみ。
《text:Shinpei Oguchi》
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