『思い出のマーニー』主題歌はジブリ初の“全編英語詞”…孤独を謳うL.A歌手に決定
スタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)の主題歌が、L.A.を拠点に活動するシンガーソングライターのプリシラ・アーンが歌う「Fine On The Outside」に決定した。全編英詞の主題歌は、ジブリ史上初となる。
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プリシラは1984年3月9日、ジョージア州に生まれ、ペンシルベニア州で育った。ブルーノート・レコードと契約し、2008年にアルバム「グッド・デイ」でメジャーデビューし、ノラ・ジョーンズに次ぐ大型新人として注目を集めた。日本ではシングル「ドリーム」が全国のFM局でパワープッシュされ、フジロック・フェスティバルにも2度の出演を果たしている。
2012年には「風の谷のナウシカ」「やさしさに包まれたなら」といった名曲の日本語カバーを収めたアルバム「ナチュラル・カラーズ」を発表。翌年12月に、三鷹の森ジブリ美術館でミニライブを開催したことがきっかけで、今回のジブリ主題歌起用に至った。
「主題歌を決めるのも、プロデューサーの大きな仕事だが、なかなか忙しくて、決まらないまま今年の1月になってしまった。そんな時、ジブリ美術館の中島(清文)館長から『プリシラの声が合うはず』と教えてもらい、僕も麻呂さん(米林監督の愛称)も『この人だ』と思った。3日後には僕がアメリカに飛んで、彼女に会いに行った」(西村プロデューサー)。
2週間後には数曲の候補が出来上がってきたといい、そのうちの1曲が今回起用された「Fine On The Outside」。プリシラが高校生時代の孤独だった心情を基に、約7年前に作った楽曲だと言い「彼女はどのグループにもなじめず、独りでポツンと昼食をとったランチの時間が大嫌いだったそうです」と西村プロデューサー。
実際、歌詞には友人がほとんどいなかった、孤独や混乱といった当時の心境、さらに「自分が死んだら、誰が私を覚えているのか」という不安がストレートに綴られている。映画の主人公である“Wヒロイン”のひとり、杏奈もまた、周囲になじめず心を閉ざした少女として描かれており、米林監督も「これは運命ですね。7年前に彼女が作った曲と、杏奈は繋がっていた」と語っているそうだ。
【プリシラ・アーン(Priscilla Ahn)からのコメント】
スタジオジブリ最新作の主題歌を依頼されて、信じられないほど光栄です。まさに夢が叶いました。
原作を読み、すぐに杏奈とマーニーが大好きになり、子ども時代を色々と思い出しました。そして私は、この映画に出会う何年も前に自分自身のことを書いた一曲をジブリに提案しました。孤独を感じ、自分の中に愛というものを見出そうとしたあの頃の私が書いたこの曲は、杏奈の状況そのものだと気付いたからです。その曲「Fine On The Outside」が主題歌に選ばれ、とても嬉しく、誇りに思います。
『思い出のマーニー』は7月19日(土)より全国にて公開。
※文中の西村氏の発言は、2014年4月14日(月)に東宝本社で行われた『思い出のマーニー』記者会見より抜粋。
《text:Ryo Uchida》
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