【美的アジア】“働き女子”必見! ピーター・ホーの新境地『一分間だけ』
現在公開中の原田マハ原作、日台合作映画『一分間だけ』。ファッション雑誌編集者のワンチェンと、彼女を支える在宅コピーライターのハオジエがゴールデンレトリバーの…
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取材先のペットショップで偶然出会ったゴールデンレトリバーとの「一瞬の出来事」に“運命”を感じ、リラと名付けて飼うことに決めたワンチェン。女子って何かと“運命”づけちゃうことって実際よく…あるある。副編集長に昇格し、俄然仕事に熱をあげるワンチェンは、リラの世話も「どうせ家にいるでしょ」とキツイ一言を放ってハオジエに任せっきり。「何気ない一言で自分も誰かを傷つけたりはしていないだろうか」と妙にドキッとさせられるシーンです。
仕事が生きがいのワンチェンが、日常生活そっちのけでキャリアを積んで懸命に夢を追う姿は、女性は理解できる方も多いのではないでしょうか。仕事で成果を出したい。ハオジエとも仲良く暮らしたい。リラのこともちゃんと世話してあげたい…。欲ばりな願いでは決してないはずなのに、なかなかうまくいかないワンチェンの心の揺れ、そして、現代の女性の思いをチャン・チュンニンが見事に演じています。
この女性の心理が繊細に描かれているのは、チェン・フイリン監督の演出力にあると言えるでしょう。タイトルが示す“一分間だけ”の儚くも美しい世界観を、自然光を多用して描いているのは女性ならではないかと思います。またワンチェンのファッションもカジュアルスタイルから、バリキャリスタイルまで、真似したくなるような衣装が揃い、見ているだけで参考になるはず。
そして、ピーター・ホーにとって新たなキャラクターが誕生したのはファンにとっても嬉しいプレゼントではないでしょうか! ピーターと言えば、「マッチョな強男」の印象が強いですが、「一分間だけ」で演じたハオジエは、言うなれば完全なる「草食系主夫」。
ワンチェンが声を荒げても何かを飲み込むように静かに受け止め、彼女の帰りを料理を作って待ち、言われた通りリラの世話もしている姿は、やはりいままで見たことのなかった新たなピーターの魅力発見と言えます。正直、鍛え上げた上半身が披露されなかったのは残念ではありますが、ぶっとい上腕二頭筋はしっかり拝められるので、色んな意味で楽しめる作品でもあります。
そして忘れてならないのが、「リラ」の存在。演技とは思えないその姿にただただ驚き、つぶらな瞳で見上げる表情はあまりに可愛く、だからこそ切なく。リラと彼らから、身近にいてくれる人の大切さ、本当の愛とは何かを、改めて考えるきっかけをもらった、そんな作品です。
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