【特別映像】W・アンダーソン最新作『グランド・ブダペスト・ホテル』…物語の鍵は“お菓子”？

本年度ベルリン国際映画祭銀熊賞「審査員グランプリ」を受賞、公開するやいなや各国で次々と記録を更新し、過去最高の大ヒットとなったウェス・アンダーソン監督の最新作『グランド・ブダペスト・ホテル』。

ファッション、スイーツ、音楽…アンダーソン監督の世界観がギュッと詰まっている本作だが、このほど物語の鍵となるお菓子の作り方が学べるキュートな映像がシネマカフェに届いた。

1932年、美しい山々を背に優雅に佇む、ヨーロッパ最高峰のグランド・ブダペスト・ホテル。エレガントな宿泊客たちのお目当ては、“伝説のコンシェルジュ”グスタヴ・H（レイフ・ファインズ）だ。彼の究極のおもてなしの秘密は、マダムたちの夜のお相手も辞さない徹底したプロ意識にあった。

ところが、グスタヴの長年のお得意様である伯爵夫人のマダムD（ティルダ・ウィンストン）が殺され、遺言で貴重な絵画を贈られたグスタヴが容疑者に。グスタヴはヨーロッパ大陸を逃飛行しながら、愛弟子のベルボーイのゼロ（トニー・レヴォロリ）と共に謎に挑む――。

今回到着した映像は、架空の国、ズブロフカ共和国の人々が愛して止まない「MENDL'S（メンドル）」というケーキ屋で働くパティシェのアガサがこの店の名物「コーティザン・オ・ショコラ」を手順に沿って紹介している映像。映画の本編にはないこの映像は、設定、登場人物含め物語の細部まで徹底的に作り込む、アンダーソン監督ならではのこと。

アガサを演じるのは『つぐない』でアカデミー賞助演女優賞にノミネート経験を持つシアーシャ・ローナン。物語の中では、投獄されてしまったコンシェルジュ、グスタヴ・Hにベルボーイのゼロが面会の差し入れとして持って行ったり、「メンドル」の箱いっぱいの中、ゼロが想いを寄せるアガサとハグをしたり、印象的なシーンにたびたび登場するのだ。

『ダージリン急行』『ムーンライズ・キングダム』とアンダーソン監督のユーモアたっぷりの独特な世界観は魅了される人も多く、日本でも人気のファッションデザイナー、アナ・スイ氏は「この映画はウェス・アンダーソン監督の最高傑作になるはず！」と大絶賛。

「彼の、気ままなのに繊細な感覚と、偏執的なまでのディテールへのこだわりが、私は大好きです！　アンダーソン監督ならではの、無鉄砲で見事なアンサンブル・キャスティング、愛らしくも型破りなコスチューム、よりすぐりのサウンドトラック、そして比類なきロケーションの数々が、デジタルの時代になる前の、古き良き華麗な世界を舞台に暖かな視線で繰り広げられます」。

さらに「メンドル」が大好きだと語るアナ・スイ氏は「このお店が作る、空想的な色とりどりのお菓子のように、お店そのものが素晴らしいお菓子みたい！」とコメントを寄せた。

食べるのがもったいないくらいキュートな見た目のお菓子も登場する本作。劇場でアンダーソン・ワールドに浸った後は、こちらの映像で思い出しながらお家でじっくり味わってみるのもいいかも。

『グランド・ブダペスト・ホテル』は6月6日（金）よりTOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほか全国にて公開。