【シネマモード】天使 or 悪魔? 美少女・小松菜奈に翻弄される…『渇き。』
なんとも不思議な映画です。バイオレンス満載で、凶暴、狂気的なキャラクターばかりが登場するにも関わらず、不思議な愛に包まれている…
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物語は、頭脳明晰、容姿端麗という学園のカリスマ女子高生・加奈子が突然失踪したことから始まり、彼女の捜索に乗り出すロクデナシの父親が、思いもよらない娘の実像と出会いながら、これまでに感じたことのない父性に目覚めていくまでを描いています。
バイオレントな表現を通して人間の残酷さを映し出すことで、きれいごとを吹き飛ばしながら人間味や人間臭さを浮き彫りにする本作。かなり、人というものの本質をあぶり出しているので、直視できない、したくないシーンもいくつかあります。それでも、女性にとっても魅力的に映る理由。それは、加奈子を演じる小松菜奈の存在ゆえでしょう。
モデルとして活躍してきた彼女は、本作でスクリーンデビュー。圧倒的なカリスマ性を備えた女子高生を、天使のように可憐な姿で表現しています。劇中では、制服姿で登場するとともに、レースやリボンでその可愛らしさを強調した夜遊びモードも披露。外見はとことんイノセント&ガーリーに装っているのに、その裏に“悪魔性”を潜ませる美少女の姿は、美しいバラには棘がある、という真実を思い出させるのです。
その場その場よって、接する人によって全く違った印象を残す加奈子のつかみどころのなさを、モデルの技術を活かして見事に表現した小松菜奈。中島監督が彼女に期待したのが、まさにこれでした。「演技経験はなくても、彼女にはモデルとしての実績がある。メイクされ、衣装を着せられた瞬間、求められるキャラクターになりきれる。女優とは違う技術を持っている人。相手によっていろんな顔を見せる加奈子役にはそういう人のほうがいいと思い小松さんを選びました」と監督は話しています。
実際に、先日ご本人にお会いした際、いろいろな顔を持った役を演じるうえで、モデル経験がとても役に立ったと教えてくれました。「いろいろな表情を見せるときに堂々とできたし、ポーズを決めるのにも抵抗はなかった」と。演技に関しては未経験でも、自分が自信を持って披露できる能力があったことが大きな心の支えになったよう。オーディションで自分が抜擢されたと知ったときには、「なぜ私が?」と心から不思議に思い、撮影がはじまるとかなり緊張をしたそうですが、中島監督が抱いた大いなる確信を追い風に映画デビューを飾っただけあり、撮影が進むにつれ、自信を持てるようになったといいます。
そして、鬼才の期待に見事に応え、難役を演じ切りました。狂犬&ロクデナシとも称される父親を演じた役所広司、常に笑っている気味の悪い刑事を演じた妻夫木聡ら、出演者たちの共演(狂演?)に目が釘付けになる本作ですが、これから映画界を騒がせそうな話題の女優、小松菜奈の七変化にも、ぜひご期待を!
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