加瀬亮、ホン・サンスと2年越しの約束果たし感慨! 完成作は「7回観て7回発見あった」
加瀬亮が韓国の名匠ホン・サンス監督と組んだ『自由が丘で』が12月13日(土)に公開を迎え、2人が揃って都内劇場で舞台挨拶に臨んだ。
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ヴェネツィア国際映画祭の「オリゾンティ部門」に出品されたほか、第36回ナント三大陸映画祭では「グランプリ」を受賞するなど国際的にも注目を集める本作。スーツケースひとつで、思いを寄せる韓国人女性を追ってソウルへとやって来た日本人・モリが彼の地を迷うかのように歩き回る中で織り成すドラマを映し出す。
2人はこの日の会場となった映画館「シネマート新宿」で2年前にトークショーを行ない、そこで初めて顔を合わせ意気投合し、一緒に映画を作ることを約束。2年越しで本作が完成した。
加瀬さんは「2年経って、再びこうやってここに立っているのを不思議に思うし嬉しく思います」としみじみ。サンス監督は2年前の初対面の時の加瀬さんの印象について「お会いしてお話する中で、加瀬さんのお顔が赤くなったのが印象的でした。繊細で、映画へのいろんな意見が聞けて楽しかったです。男性ですが美しい方だと感じました」と語る。
改めてサンス監督の現場を経験し、加瀬さんは「いま『これ以上の現場があるのかな?』と不安に思うほど楽しかったです」と述懐。サンス監督の現場はスタッフの人数も必要最小限しかおらず、脚本も当日撮る分を監督がその日の朝に書くという特異なスタイルで知られている。加瀬さんは「監督の映画が好きな理由のひとつが、登場人物たちがいつも飾らないこと。欠点だらけという人もいますが(笑)。普段、一面を強調したり飾って演じているのを、監督が解放してくれました。人はいろんな面があり、毎日違う。そういうのを素直に映画の中で演じられたのは単純に喜びでした」と充実の表情を見せる。
サンス監督は「映画作りでは“自由”が重要。現場で起こるいろんなことを反映するスタイルをとっています」と説明。加瀬さんは「普通は不安でいろんなことを準備して安定を求めるものですが、監督がやろうとしているのは、“頼りなさ”の中に自分を置くということ。目の前のことがすごく強烈に飛び込んでくる。そういう体験でした」とふり返る。
加瀬さん自身、普段は自分の出演映画を「1回しか観ない」と言うが、本作に関しては「7回観て、7回発見がありました。モリが『韓国女性を追いかけてソウルに来た』とありますが、何回も観る中で『そうなのかな?』と思うようになったり、観るたびにこんなに印象が違う映画は初めてです」と本作がいかにこれまで関わってきた作品と違うかを感慨深げに語っていた。
『自由が丘で』は全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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