仕事がデキる人ほど要注意!? 「燃え尽き症候群」の乗り越え方
2012年、日本中を笑いと涙で包み込み、ロングランヒットとなった『最強のふたり』の主演オマール・シーと、エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ両監督が再びタッグを組んだ…
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その際に実施されたアンケートから見えてきたのは、本作でシャルロット・ゲンズブールが演じた「燃え尽き症候群」のキャリア女性・アリスに共感し、自分を重ねる女性たちの姿。ついつい仕事を頑張り過ぎてしまう、デキる女性ほど要注意といわれる「燃え尽き症候群」の乗り越え方を、『サンバ』から探ってみた。
サンバ(オマール・シー)は、料理人になることを目指し、アフリカ・セネガルからフランスにやってきて10年。ところが、ちょっとした手違いから滞在許可書がもらえず、国外退去を命じられた彼は、移民支援協会に相談することに。そこで出会ったのが、ボランティアのアリス(シャルロット・ゲンズブール)だった。
たいてい、移民支援協会で働くボランティアといえば、法科を学ぶ学生か年配の女性。なぜ、こんなところにアリスような女性が? そう不思議に思ったサンバは彼女に関心を持っていく。一方のアリスも、困難な状況にいるのに笑顔を忘れないサンバに興味を抱き、彼のために尽力するように。最初はぶつかり合っていたふたりだが、次第に心を通わせるようになり、やがて恋に落ちる。
実は、ボランティアの中でどこか場違いに見えるアリスは、15年間、大手の人材紹介会社で働いてきた“バリキャリ女子”。友人も作らず、旅行にも行かず、一心不乱に働いてきたが、成績を伸ばすよう圧力をかけられ続け、ある日ふとしたことからブチキレる。やる気を失い、虚無感にさいなまれた彼女は入院し、休職中の身に。協会でのボランティアも、リハビリ治療の一環だった。
そんなアリスを演じた、フランスを代表する女優のシャルロット。コメディに出演するのは意外なようにも思えるが、知的で芯の強さを感じさせながら、いまにも壊れそうな繊細さを持ち合わせた「燃え尽き症候群」のアリスは、思いがけないハマり役となっている。
今回の試写会でのアンケートによれば、実に7割以上の人が、劇中のアリスのように仕事内容や職場の人間関係などから、慢性的なストレスや倦怠感、欲求不満を感じたことがあるという。
では、それをどうやって乗り越えているかといえば、「休むときはしっかり休む」「自然に任せた」と「時間」が解決してくれると考える人や、あるいは「考えないようする」「趣味で息抜きする」というスタンスを貫き、「ノー天気に生きることも必要」とある種の悟りの境地(?)を得た人も。その一方で、あえて「仕事にのめり込む」といった強者もいた。
また、物理的にその状況から離れることが一番と「旅行」「転職」を挙げる人も多く、「無理に勤めてストレスをためるぐらいなら、辞めて次を探す」というキッパリした意見も。さらには、「自分の時間を取り戻す、リハビリ期間を設けた」という、まさに劇中のアリスと同じような状況の人もおり、「下を向いていても落ち込むので、笑う、話をする、『むかつく』と怒鳴ってみる」と、時にはブチキレる以前に(!?)、感情を吐き出すことが大切という意見もあった。
中には、「自分の考えを変えるしかない。自分が変わるのが一番の近道」「新しい価値観を発見する暮らしを見つける」と、結局は“自分次第”というとらえ方をする人も。そのためには、ひき籠もってばかりはいられず、アリスがサンバとの距離を縮めていったように、人との交わりは欠かせない。
例えば、アリスが自身の身の上を思い切ってサンバに語ったとき、彼は「燃え尽きた友だちに感動した」とアリスを称え、あるがままを認めていた。そんなサンバや、常に前向きなラテン系イケメンのウィルソン(タハール・ ラヒム)たちとの関わりは、確かに彼女を少しずつ変化させていく。
もちろん、ストレス解消法として「映画を見る」という声も多数。そんなちょっぴり心が疲れたときに、『サンバ』はオススメの1本となるはずだ。
『サンバ』は12月26日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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