【シネマ羅針盤】ロビン・ウィリアムズーー最後の台詞(ことば)
昨年8月に亡くなった米俳優ロビン・ウィリアムズの実写遺作となる『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』の日本公開が近づいている。シリーズ最終章だけに、愛すべきテディ・ルーズベルト大統領を演じたロビンが放つ“最後の…
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映画は真夜中になると展示物が動き出す不思議な博物館を舞台に、命が宿った過去の偉人たちとベン・スティラー演じる警備員が大騒動を繰り広げる人気冒険シリーズ第3弾。展示物に命を吹き込んでいた「エジプト王の石版」が魔力を失いそうになる大ピンチに見舞われる。舞台をロンドンの大英博物館に移し、彼らの冒険もスケールアップ。おなじみの面々に加えて、アーサー王伝説の騎士・ランスロットなど新たなキャラクターも参戦する。
冒険と同時に、ベン演じる主人公とその息子の「絆と成長」にもスポットを当ててきた同シリーズ。そんな父子の物語は、コメディの世界からスタートし、いまや演技派俳優としての地位を確立したロビンとベンの関係性にも重なり合う。時に色物扱いされた経験もあるベンが、アカデミー賞俳優として評価されるまでに至ったロビンの姿に勇気づけられたことは想像に難くない。だからこそ、本作のエンディングには思わずホロっとしてしまう。
もちろん、『ナイト・ミュージアム』3部作も多くの映画ファンに愛される存在だった。「もし博物館の展示物が動き出したら?」というユニークな発想をもとに、ロビンら芸達者なキャスト陣が“演技という魔法”で命を吹き込んだ個性豊かな登場人物はどれも魅力的だったし、80年代の『グーニーズ』、90年代の『ジュマンジ』(こちらもロビン主演)などを彷彿させる快活な冒険心は、大人が思う以上に21世紀の子どもたちに夢と希望を与えたはずだ。
いまではすっかり数が減ってしまった「誰もが楽しめる映画」。その代表格だった『ナイト・ミュージアム』の“閉館”を惜しみつつ、改めて亡くなったロビンに哀悼の意を捧げたい。彼もまた、ハリウッドでは失われつつある「誰からも愛されるスター」のひとりだった。
《シネマカフェ編集部》
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