満席続出『イミテーション・ゲーム』、天才を支えるチームは…“戦隊モノ”!?
3月13日(金)に公開され、メイン館のTOHOシネマズみゆき座で初回から全回満席を記録したほか、全国各地でも満席が続出する大ヒットスタートを切った『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
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とはいえ、“ドイツ軍が誇った暗号を解く天才数学者の物語”には、もしかしたら「何だか難しそう」「私、文系で…」と二の足を踏んでいる方も多いかもしれない。だが、実は、当時最強といわれた暗号の解読に挑んだのは、カンバーバッチが演じた天才数学者アラン・チューリングだけではなかった。チェスの英国チャンピオン、難解なパズルも解き明かす女性など、選りすぐりの“精鋭チーム”の存在があった。
それは例えていうならば、チューリングを“レッド”とする“暗号解読戦隊”ともいうべき部隊。つまり本作は、チューリングと彼を支える個性的なメンバーが、いざというときには抜群のチームワークを発揮する、日本ではおなじみの“戦隊モノ”の醍醐味にあふれているのだ。
1939年、ケンブリッジ大学の特別研究員アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は英国政府のトップシークレットである、ドイツ軍エニグマ暗号機の解読作戦に参加する。なんと暗号機のパターンは、159の後に0が18個も続く(1垓5900京通り)という未知の領域!? 全組み合わせを調べ終えるまで、10人の人間が24時間働き詰めでも2000万年かかるという驚異の数字だった。だが、チューリングは1人で勝手に解読マシンを制作し始め、リーダーだったチェスのチャンピオン、ヒュー・アレグサンダー(マシュー・グード)らチームから総反発を食らうことに――。
この“暗号解読戦隊”で、カンバーバッチ演じるチューリングの立ち位置はもちろん、孤高ともいえる“レッド”。仲間と共闘しながらも、次第にマシンの意味をチームに認めさせていく。やがて、現代のコンピューターの始まりとなる彼のマシンの原理には、誰もが一目を置くようになる。
そんな彼に対抗する“ライバル”的キャラが、マシュー・グード。『シングルマン』『イノセント・ガーデン』などで知られ、スマートな英国紳士を地でいく彼が演じたチェスの天才は、ハンサムで人を引きつける魅力を持ち、女性にもモテモテ。チューリングとは真逆のキャラといえる。当初は最もチューリングに反発していた男が、上層部から彼をかばう場面は胸アツになること必至!
また、紅一点となるのは、キーラ・ナイトレイ。最初のチームで“使えない”人たちを独断でクビにしたチューリングは、難解なクロスワードパズルで試験を行い、誰よりも優秀だったジョーン・クラークを採用する。女性の仕事はお茶くみやタイプ打ちなどで男性と同等に働くことが困難だった時代に、実力のみでジョーンを採用したチューリング。やがて、彼女はチューリングの最大の理解者となっていく。
さらに、冷静沈着・状況分析に優れ、穏やかな性格でチーム内のいざこざを何とかまとめようとするのが、アレン・リーチが演じるジョン。リーチ自身も、英国王室やハリウッドスターが夢中になるドラマ「ダウントン・アビー」のトム・ブランソン役で、知る人ぞ知る名脇役だ。チーム内で最も若く、“年下キャラ”ともいえるピーター役を演じたのは、マシュー・ビアード。「バーバリー」の広告モデルを務める彼は、いまから“青田買い”しておきたい英国のニューフェイスといえそう。
そして、こうした個性的な面々を影でまとめ上げる存在となるのが、MI6(英国情報機関)のスチュワート・ミンギス。後にチューリングとある秘密の共有をしていくミンギスを渋く演じているのは、『裏切りのサーカス』『記憶探偵と鍵のかかった少女』などで知られる英国の実力派マーク・ストロング。
渋い、といえば、チューリングのマシンを快く思わない軍上層部のデニストン中佐は、英国のベテラン俳優チャールズ・ダンス。実際は同じ英国側ではあるが、“暗号解読戦隊”の宿敵の親玉というべき存在にも思えてくる。
こんなふうにチームをとらえれば、まさに彼らは唯一無二の“最強戦隊”。ヒューマンドラマとしての深い側面も持つ本作を、より楽しむことができるはずだ。
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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