『百日紅』が仏アヌシー国際映画祭出品! 宮崎駿、高畑勲作品に続く最優秀賞に期待
『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズの原恵一監督最新アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』ジャパンプレミアが4月28日(火)に開催され、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、清水詩音、原監督が和装で舞台挨拶に臨んだ。
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若くしてこの世を去るも、遺した作品はいまなお高い支持を集める杉浦日向子の人気漫画「百日紅」の映画化。天才浮世絵画家・葛飾北斎の娘で、自身も女ながらに絵師として活躍したお栄を中心に、江戸時代に生きる町人の暮らしを瑞々しく描き出す。
杏さんは「大好きな杉浦日向子さんの作品に参加することができて本当に嬉しいです」と万感の思い。自身が演じたお栄に対しては「江戸時代に女性が浮世絵師というクリエイティブな仕事で生計を立てていたというのは稀有なことで、唯一無二と言えるかもしれません。共感というよりは憧れや尊敬の念を感じています」と語る。
お栄の父・北斎を演じた松重さんは、声優初挑戦となったが「北斎というビッグネームを声で演じるということで大変なプレッシャーもありました。この歳まで声優というものに憧れを持っていて、52歳でやっとデビューできました」としみじみと喜びをかみしめる。
濱田さんも本作で声優デビューとなったが「収録の少し前に松重さんと同じ現場があって『どうする?』『どうする?』と言ってました。松重さんが先に収録だったので、偵察に送って(笑)、『声の現場はどういう感じでした?』とLINEで送ってアドバイスをもらって乗り切りました」と語り笑いを誘う。
原監督は2011年の企画の始動からここまで長い道のりだったが「やっとここまで来られたというのが正直な感想」と感慨深げ。「杉浦さんの作品が昔から大好きだったので、初の映像化作品の監督になれたことはものすごい誇りです」と喜びを口にする。気になる仕上がりに関しては、これから映画を見る初めての観客を前に「今回はかなり自信があります。(ハードルを)上げてもらっても大丈夫です!」と胸を張った。
杏さんはアニメーションとなった本作について「江戸時代は、いまは失ってしまった“闇”――夜の深い闇が存在していた時代で、だからこそようかいや怪奇現象が本当にあったと思えたのだと思います。リアルにアニメのタッチも変わっていきながら表現されていきますが、めまぐるしく変わっていく景色、風景、現象を動く映像で見られて感激しました!」とアニメーションならではの本作の魅力を強調する。
松重さんも、北斎の代表作である「富嶽三十六景」のひとつで、大波の向こうに富士を描いた「神奈川沖浪裏」がアニメーションで表現されることに触れ「僕は神奈川県民ですが、こういう波は見たことがない(笑)。北斎はどこを切り取ってどういう富士が描きたかったのか? 天才の目線がすごいものを見ていると再確認しました」と語り、これから映画を見る観客の期待を煽った。
なお、本作は第39回アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)の長編コンペ部門に出品されることが決定! 2600を超える作品の中から、栄えあるコンペ部門への招待となった。過去には『紅の豚』(93年度/宮崎駿監督)『平成狸合戦ポンポコ』(95年度/高畑勲監督)が日本映画として同部門最優秀作品賞のクリスタル賞を受賞しているが、日本の文化を描いた本作に海外の観客、批評家がどのような評価・感想を抱くのか、期待が高まる。
『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より公開。
《シネマカフェ編集部》
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