【インタビュー】デイン・デハーン、ゾンビと化す彼女に恋「非現実的だけど、共感できる」
アンニュイで繊細なルックスに確かな演技力を兼ね備え、“レオナルド・ディカプリオの再来”ともいわれているデイン・デハーンの主演最新作『ライフ・アフター・ベス』。特殊な“チカラ”を思いがけず手にした高校生を演じた『クロニクル』や、悪に墜ちる
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ザックは、最愛の恋人ベスをケンカ別れしたまま不慮の事故で亡くし、悲嘆に暮れていた。しかし数日後、思いがけない奇跡が起きる。ベスが墓穴から這い出し、両親と暮らした家に戻ってきたのだ! 神様がやり直しのチャンスをくれたと思い、これまで以上にベスを大切にしようとするザック。だが、次第にベスがゾンビとして成長していく姿に、少しずつ心が離れていくことに気づく。そんなとき、“生身の人間”である幼なじみのエリカに出会い…。
デイン・デハーンといえば、ライアン・ゴズリングの息子役を演じた『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』、ダニエル・ラドクリフとラブシーンを演じた『キル・ユア・ダーリン』など、近年、通好みの作品への出演が相次ぎ、物憂げな表情が「若き日のディカプリオを彷彿とさせる」と注目を集めている若手演技派。大作の『アメイジング・スパイダーマン2』では、アンドリュー・ガーフィールド演じるピーター・パーカーの親友ハリー役に抜擢されたことも記憶に新しい。
そんな彼が今回演じたのは、愛した彼女がゾンビになって戻ってきた(?)ことに戸惑いながらも突き放すことができない、ちょっぴり優柔不断なごく“フツー”の青年。これまでに彼が演じてきた多くの役柄とは、まったく異なるキャラクターだ。いわば、キャリア的にも異色といえる本作に出演した決め手は、いったい何だったのだろうか?
「僕が脚本を読むときに重視するのは、納得できるストーリー展開かどうかなんだ。この作品の設定は非現実的だけど(笑)、それに対するキャラクターはとても自然だったんだ。どのキャラクターも共感できる行動をとっている。だから脚本を読んですぐに演じたいと思ったよ!」と、デインは語る。
当初は驚愕し戸惑いながらも、やはり最愛の彼女が再び目の前に現れたのだから、それはうれしいはず!? 理性よりも愛の力が勝り、失った時間を取り戻すようにラブラブになる2人だったが、次第にベスが “ゾンビ化”し始めてくると、その関係は微妙になっていく。
「死から蘇った彼女の容貌は最初から少しヘンなんだ。やがて徐々に腐敗が進み、言動も常軌を逸してくる。その過程が面白いよね」と、まるで恋人の“ゾンビ化”を楽しんでいたかのように笑顔を見せる。
“ゾンビ化”する恋人ベスを演じた人気コメディエンヌ、オーブリー・プラザに関しては、「とても楽しい人だよ。そして肝がすわってる一方で、はにかみやでもあるね」と紹介。「彼女はゾンビ役を心から楽しんでたよ。それに全力で熱演してゾンビになりきっていた。ほかでは見たことのない彼女ならではのゾンビだよ」と、彼女の“名演”を手放しで絶賛した。
また、本作には、『シカゴ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジョン・C・ライリー、「サタデー・ナイト・ライブ」出身のモリー・シャノン、『男と女の不都合な真実』のシェリル・ハインズら、コメディにも定評のある俳優たちが集結し、幼なじみのエリカ役で『ピッチ・パーフェクト』のアナ・ケンドリック、ザックの兄カイル役で「クリミナル・マインド」シリーズのマシュー・グレイ・ガブラーも登場し、脇を固めている。
「皆、仲が良かったよ。この作品の素晴らしいところは、色んな味を持つ俳優たちが集まったところだね」と、デインは言う。「キャストもスタッフもジェフ(・バエナ監督)の脚本に惚れ込み、情熱を持って参加した作品なんだ。演じている時間は幸せな時間だったよ!」とふり返り、タイトなスケジュールながら充実した撮影だったことを伺わせた。
さらに、劇中ではゾンビ化したベスは音楽の趣味が変わり、スムーズ・ジャズを好むようになるという設定があるが、「以前、何かの記事でスムース・ジャズが持つ鎮静効果を知ったんだ。だから病院などでも流されてるらしいね。ゾンビは欲望のままに動く生き物だ。人間の複雑な心にジャズが作用するなら、単純なゾンビへの効果は計り知れないんじゃないかな(笑)」と大マジメに自説を展開し、お茶目な面を見せるひと幕も。
バエナ監督からは「本来であれば、コメディ俳優がやるような役だけど、くどくなるかもと思って、あえて彼を選んだ」と言われ、「おかげで浮ついた作品にならず、ストーリーに深みが出たと思う」と賛辞を贈られたデイン。
愛しているからこそ、すれ違う。実はそんな、ごく普遍的な愛の物語である本作に、等身大の誠実さと苦悩、そしてリアルさをもたらした彼の才能もまた、愛さずにはいられない。
『ライフ・アフター・ベス』は5月16日(土)より新宿シネマカリテにて公開。
《シネマカフェ編集部》
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