フランソワ・オゾン監督最新作は女性として生きる男性を描く
『8人の女たち』『しあわせの雨傘』などのフランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』が、8月より公開することがこのほど決定した。
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親友のローラを亡くし、悲しみに暮れるクレール。残された夫のダヴィッドと生まれて間もない娘を守ると約束したクレールは、2人の様子を見るために家を訪ねる。するとそこには、ローラの服を着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられ、驚き戸惑うクレールだったが、やがて彼を「ヴィルジニア」と名づけ、絆を深めていく。
夫に嘘をつきながら、ヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増してゆく。とある事件を境に、ヴィルジニアが男であることに直面せざるを得なくなったクレールが、最後に選んだ新しい人生とは──?
新作が世に出るたびに、映画ファンは勿論、辛口の映画評論家たちまでもが興奮と期待に胸を膨らませるフランソワ・オゾン監督。『8人の女たち』『しあわせの雨傘』『スイミング・プール』『危険なプロット』『17歳』など、珠玉のフィルモグラフィーで、稀代のストーリーテラーと称えられる圧倒的な才能を見せつけてきた。
本作は、どこにでもいる普通の主婦が、“特別な女ともだち”と出会ったことで、平凡だった毎日が華やぎ、刺激と興奮に満ちた人生へと変わっていき、女性としての輝きを増していく様を描く。さらにその“女ともだち”が、亡き親友の“夫”である事から、予想もしないハプニングや心を揺さぶる人間模様が繰り広げられ、「自分らしく生きる勇気」を問いかける内容となっている。
主人公を演じるのは、いまフランス映画界で最も脚光を浴び、最新作へのオファーが絶えない『間奏曲はパリで』のアナイス・ドゥムースティエ。男性の心を持ちながらも女性の服をまとい、本来の自分の美しさを花開かせていく“女ともだち”役には、大ヒット作『タイピスト!』のロマン・デュリス。ありのままの自分を受け入れることの素晴らしさを高らかに謳い上げる映画として、役者陣の好演に期待がかかる。
また、日本版オリジナルのポスタービジュアルもこのほど解禁。“彼”が“女ともだち”であることを示唆する、アナイス・ドゥムースティエの向こうに映る、金髪のウィッグを付けた女装をするロマン・デュリスの後ろ姿がなんとも印象的だ。
これまでの作品の中でも、“女たち”に対して独特の目線を送るオゾン監督が、女性として生きようとするダヴィッドをどのように描くのか。フランソワ・オゾンならではの衝撃の結末に世界中が拍手を送ったという本作に、ぜひ注目してみて。
『彼は秘密の女ともだち』は、8月よりシネスイッチ銀座・新宿武蔵野館ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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