樹木希林、海外映画祭で最優秀女優賞に輝く!『あん』W受賞
エレファントハウス配給の映画『あん』が、イタリアのシチリア島に位置するマルタ共和国の首都・バレッタで今年から開催されているバレッタ映画祭にて、メインの長編コンペティション部門の最優秀作品賞と、主演の樹木希林が最優秀女優賞のダブル受賞を果たした。
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本作は、縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)と「どら春」の求人募集の張り紙をみて、そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江(樹木さん)の物語。
初週77館スタートで、23日目にして興行収入3億円を突破。樹木さんを始め、河瀬監督、永瀬正敏、内田伽羅、原作者のドリアン助川らが出席した今年のカンヌ国際映画祭でも拍手喝采を浴びていた。
バレッタ映画祭の審査委員長を務めるのはローランド・ジョフィ。カンヌ国際映画祭で自身の監督作品『ミッション』('86)がパルム・ドールを受賞している重鎮だ。今回の日本映画のダブル受賞という結果には、現地の映画祭関係者や来場者たちからも大きな反響があったという。
本映画祭での受賞結果を受け、現地にメッセージを送った河瀬監督は「この度は、映画『あん』を最優秀作品賞に選んでいただきまして、本当にありがとうございます。主演の樹木希林さんにも成り代わりまして、お礼を申し上げます」と感謝を述べるとともに、受賞の喜びを噛み締めている様子。さらに、「この作品は日本の四季を通して、3世代の異なる人たちが、本当にシンプルですが、心の交流を描いた作品です。徳江さんが最後に残した言葉は、本当に底辺を観た人間が、それでも尚かつその命を前向きに生き抜いたそんな人たちの言葉だと思います。その人たちから受け取ったものを、千太郎やワカナが引き継いで、心に刻み、一歩を踏み出す先に、皆さんの笑顔があることを信じて作りました。国境も越えて、人は人がそこにいるということを認め合うことで何かしら、あたたかな気持ちが生まれるのではないかと思います」と作品に込めた熱い思いを語った。
現在、世界40か国以上での配給も決定している本作。映画『あん』が、海を越えて世界を感動で繋いでくれるかもしれない。
『あん』は全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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