【インタビュー】染谷将太 as 新妻エイジ 『バクマン。』実写化のキープレイヤー
おそらく、実写版『バクマン。』プロジェクトにおいて“最難関”と言えるキャラクターである。原作漫画連載中のキャラクター人気投票では主人公を抑え堂々の1位を獲得した新妻エイジ。
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原作においても最も漫画的と言えるキャラであり、主人公のサイコー&シュージンの前に立ちはだかる最強のライバルを実写の世界で成り立たせるというミッション。染谷将太に白羽の矢が立った。サイコー(佐藤健)&シュージン(神木隆之介)の配役を巡り、2人が逆では? と論争が起こったのは周知のとおりだが、一方、エイジを染谷さんが演じるということに対しては、多くのファンが驚くほどあっさりと納得した。
「僕自身、元々、原作は読んでいて、エイジの存在も知っていたので、面白いというか、やりようがたくさんある役柄であり、チャレンジしがいのあるお仕事をいただけたなという喜びがありました」。
若き天才漫画家というのが一般的なエイジのイメージだが、染谷さんはそんなエイジの中に「孤独と純粋性」を見た。
「漫画こそが人生であり、そこにただ楽しさを覚えて常にハイになっている印象で、傍から見ると孤独でもあるんだけど、本人はその孤独に気づいてもいない。すごくピュアな少年だなと思いました」。
演じるにあたって、衣裳合わせの席で染谷さんが大根仁監督に放ったのが「“L”にならないようにします」というひと言。Lとは、言わずと知れた、『バクマン。』と同じ大場つぐみ×小畑健のコンビによる名作『DEATH NOTE』に登場する探偵である。エキセントリックな一面を持つという意味で確かに類似点のある2人だが、この発言の真意は?
「半分冗談で言ったようなものなんですけどね(笑)。やはり『DEATH NOTE』を読んでいて、僕自身、勝手ながらLとエイジは近い存在だなと思う部分はあったので、だからこそ『似ないように』という思いもあったし、エイジはダウナーな役にはしたくなかった。もっとアッパーでテンションが高いという思いがありました。でも単にはっちゃけているだけのハイな男ではサイコーとシュージンに対して何の脅威にもならない。いま振り返ると、ちょっとずれた、醒めた感じのテンションを現場でずっと探っていたんだなと思いますね。撮影の時も、徹夜でやっているみなさんの前に時々、現れては現場を荒らして帰るような感じでした(笑)。作品の中で“異物感”を感じてもらえたらと思います」。
【連載企画 漫画の思い出#03】
――子供の頃から漫画はよく読んでましたか?
染谷さん:人並みに読んでましたね。週刊誌で買うのではなく、その中で好きな作品だけ単行本で買うというのが僕のお小遣いの使い道でしたね。子供の頃によく読んでたのは『浦安鉄筋家族』(浜岡賢次)、『こち亀』(秋本治)、『すごいよ!!マサルさん』(うすた京介)ですね。基本的にギャグマンガが大好きでした。徐々にいろんな漫画を知って、中高生で背伸びして…(笑)。映画から入ることも多いです。『青い春』を見て松本大洋さんの漫画を読み漁ったり、『AKIRA』を見て大友克洋さんの作品を買ったりしました。
――あえて一冊、好きな漫画を選ぶなら?
染谷さん:うーん…大友さんの「ショート・ピース」(※処女短編集。1979年刊行)ですかね…。
――もしも、この漫画が実写化されたら俳優として出たいという作品は?
染谷さん:これも大友さんの作品ですが、もし「童夢」を大友さん自身が監督されて撮るのなら、あの老人(チョウさん)を特殊メイクして自分がやりたいです。本物のおじいさんを起用したらワイヤーアクション出来ないでしょうから(笑)。
《シネマカフェ編集部》
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