【シネマカフェ的海外ドラマvol.333】今年は何かが違った!?海外ドラマ界の祭典「エミー賞」振り返り
現地時間の9月20日、海外ドラマ界最大のイベントであるエミー賞の授賞式が今年も開催されました。今回は、その受賞結果を振り返りたいと思います…
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コラム

毎年、受賞結果に喜ばされることもあれば、首をひねらされることもあるエミー賞。ですが、今年は世界中の海外ドラマ視聴者が狂喜乱舞せずにいられない事態が発生! 何と、大人気シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」がドラマシリーズ部門の作品賞、監督賞、脚本賞、そして助演男優賞に輝きました。今回2度目の受賞を果たしたピーター・ディンクレイジがシリーズ開始の年に助演男優賞を受賞しているほか、これまでも技術部門では評価を受けてきた「ゲーム・オブ・スローンズ」ですが、作品賞など主要部門では常にノミネート止まり。今年も“最多ノミネート!”と謳われ、前評判も高いものの、正直なところ受賞が現実になるとは思っていませんでした。
今年は何かが違う! と思わされ始めたのは、脚本賞が発表された時。クリエイターのデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスも、少々意外そうに賞を受け取っていました。その後、シーズン最終話を監督したデヴィッド・ナッターが監督賞を、ピーター・ディンクレイジが助演男優賞を次々と受賞し、いよいよ作品賞の発表に。この頃には、受賞を確信する方々も多かったと思います。冬の季節が続く劇中より一足先に、ようやく長い冬に終わりがやってきました。
「ブレイキング・バッド」や「ザ・ソプラノズ」が有終の美を飾ってシリーズの幕を閉じたり、「HOMELAND/ホームランド」や「LOST」がシリーズ開始の年に歓迎を受けたり、「MAD MEN マッドメン」や「ザ・ホワイトハウス」が4年にわたって圧倒的な強さを見せつけたり、作品賞の受賞傾向は様々ですが、強いて言うなら「ゲーム・オブ・スローンズ」の受賞は5シーズン目に悲願を果たした「24 TWENTY FOUR」の受賞時と似ているかもしれません。奇しくも、どちらも5シーズン目にしての受賞なのが面白いところです。
もちろん、「ゲーム・オブ・スローンズ 第五章:竜との舞踏」が、過去最高のシーズンだという事実も忘れてはいけません。現在日本放送中のため詳しい内容に触れるのは控えますが、第五章はどこを取ってもシリーズ最高のクオリティ。最も衝撃的で、最も壮絶で、最も過酷な展開が待ち受ける中、魅力的過ぎるキャラクターたちが歯をくいしばり、涙を流し、苦痛にあえぎ、強さとたくましさを身につけながら深遠なドラマを織りなしていきます。そう考えると、このシーズンで作品賞をあげなくて、いつあげるの? と、むしろ主張したくもなるところ。評価されるべきものが評価された清々しさも、受賞の感動に拍車をかけているように思います。
次回も引き続き、エミー賞を振り返っていきましょう!
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