女性が“ガン”という人生の“乱気流”に飲み込まれた時に気づく大切なこととは?
この映画を、このテーマを、このタイミングで観るというのは何かのメッセージ?…と思わずにはいられなかったのが『カプチーノはお熱いうちに』…
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イタリアの美しい街レッチェのカフェで働くエレナは、性格も生き方もまるで正反対のアントニオと強く惹かれあい結婚。同僚だったゲイの親友・ファビオと夢だった自分達のカフェをオープンさせ順風満帆の日々を送っていた。そんな結婚13年目のある日、スパの帰りに叔母のがん検診に付き添い軽い気持ちで一緒に受けたエレナは、思いがけない結果を聞かされる…。
あんなに惹かれあったのに13年後の夫アントニオのお腹はボヨンボヨン。いびきをかきながら寝ている旦那の姿にため息をつき、おませな娘と息子を育てながらも、カフェの事業拡大に意気込むエレナ。なんだかんだで主婦も仕事も全力投球の彼女に、あまりにも急に突きつけられたがん宣告は、本人もまわりもどう受け止めていいのか分からずじまい。
それでも治療を続けていく中で、エレナはあらためて大切な人がそばにいてくれているかということを知ります。友達、家族、母親、そして、あなた――。アントニオもまた、エレナの存在の大きさに気づくのです。
『カプチーノはお熱いうちに』の原題は、実は「シートベルトをお締めください」。フェルザン・オズペテク監督は「乱気流が思わぬところで起きるのが人生。あらゆる危険が人生には待ち受けているけれど、そういうときに備えていつでもシートベルトを締めて心の準備をして生きなければならない」という意味を込め、作品を撮り、タイトルをつけたそうです。
これは病気に限ったことではありませんが、この映画は「人生何が起こるか分からないとしたら、いま、私たちはどう生き、大切な人とどう向き合うべきなのか」、そんなメッセージを私たちに届けてくれる作品です。
ちなみに、女性特有の“乳がん”。イタリアではほとんど検査が普及していないのが現状なのだそうです。日本でも啓蒙活動などが行われていますが、あらためて「受けてみよう」と意識させてくれるのもこの作品のメッセージかもしれません。
『カプチーノはお熱いうちに』は、自分のいままでと、これからを考えるきっかけを与えてくれる1本ではないかと思います。
《Umi》
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