樹木希林、『あん』で初のアジア太平洋・女優賞獲得「一番の年上ということで…」
日本アカデミー賞を2度受賞し、これまで100本を超える作品に出演してきた樹木希林が、映画『あん』で日本人女優としては初めてアジア太平洋スクリーンアワードにおいて「女優賞」
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河瀬直美監督の『あん』は、縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)と、求人募集の張り紙を見て「どら春」で働きたいとやってきた老女、徳江(樹木さん)の物語。徳江のつくる粒あんは絶妙な味わいで「どら春」は大繁盛、徳江は店の常連の中学生・ワカナ(内田伽羅)とも親しくなるものの、やがて徳江がハンセン病患者という噂が流れ、彼らの運命は大きく変わっていくことになる。
日本でも現在ロングランヒット中で、台湾、韓国でも盛況をおさめ、ヨーロッパやアメリカ大陸でも上映が始まっている本作。これまで、カンヌ国際映画祭「ある視点部門」のオープニング上映を飾ったほか、イタリア・マルタ島のバレッタ映画祭では「最優秀作品賞」「最優秀女優賞」をW受賞、9月にはトロント国際映画祭での北米プレミア上映を果たし、国内でも樹木さんは報知映画賞、TAMA映画賞の「主演女優賞」を獲得している。
そして今回は、オーストラリアのブリスベンで開催されていたアジア太平洋スクリーンアワードにおいて、日本人の女優としては初の「女優賞(Best Performance by an Actress)」を受賞。オセアニアから中東を含むアジア全域70か国の作品を対象に、ロシア、イラン、韓国、フィリピンの女優も同賞にノミネートされている中での快挙となった。
世界45か国以上での配給が決定している本作。樹木さんの渾身の演技と『あん』に流れる温かなテーマは、まさに国境や人種を超えて絶賛の的となっている。
<樹木希林 コメント>
アジア太平洋スクリーンアワードの「女優賞」をいただけるということで、私72歳になりまして、この歳まで女優をやっていると、疑り深くなりましてね(笑)。まして褒めていただけると、「う~ん、そうかな~」という風になります。ロシア、韓国、フィリピン、イラン、日本。この中で私がということはそれほど差があるわけではないと思いますが、一番の年上ということでこの度(賞を)頂戴させていただきます。どうもありがとうございました。
『あん』は全国にてロングラン公開中。
《シネマカフェ編集部》
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