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【シネマモード】いまどきのモードな恋愛事情とは?『きみといた2日間』

今回のコラムは、モードな恋愛のお話。どうやらいまや恋愛のモード(流行)は、ネットのよう。米国のシカゴ大学、ハーバード大学とゲシュタルト・リサーチが行った…

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『きみといた2日間』 - (C) 2013 APARTMENT TWO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
『きみといた2日間』 - (C) 2013 APARTMENT TWO, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 全 5 枚
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今回のコラムは、モードな恋愛のお話。どうやらいまや恋愛のモード(流行)は、ネットのよう。米国のシカゴ大学、ハーバード大学とゲシュタルト・リサーチが行った共同調査によると、2005年から2012年の間に結婚したカップルの3分の1がネットで知り合ったという結果がでたのだそうです。そんな世相を反映して生まれたのが、映画『きみといた2日間』。

医学部を卒業したものの仕事が見つからず、失恋したばかりというがけっぷち女子のメーガンが、恋の相手を見つけるため(この際、一晩限りの相手でもいいと)、出会い系サイトに登録し、アレックと出会う物語。一晩限りの関係と割り切って夜を共にした二人は、翌朝に大ゲンカ。これっきりだとアレックのアパートを出ようとしたものの、夜から降り続いたブリザードでエントランスのドアが開かず、気まずいまま部屋に二人で閉じ込められてしまいます。そこで、仕方なく会話を試みるのですが、男女の本音がさく裂。ベッドの中での男の常識、女の常識までぶつけ合うものの、素直に語り合ったことが、思いもよらず二人の距離を縮めていくのです。実は、相手の本音を聞くなんて、意外とできないことですからね。それを生かして、再び二人で理想的なセックスを試みるなんて展開も、普通のカップルでは、できそうでなかなかできないことなのかもしれません。

これはちょっとしたおとぎ話でしょう。でも、ネット婚活が、かなりの成果を収めていることは調査結果からも確か。そういえば、恋の相手と出会いたいのに出会えないという女性は、私の周りにもとても多い。ならば、それを嘆くのではなく、出会いの機会を積極的に自ら作るというネット婚活に参加してみる方が、現実的でより効果的なのかもしれません。

ネットが普及する前は、思いもよらなかった恋愛のモード、ネット婚活。お見合い結婚が主流だった時代から、自由恋愛の時代へとシフトしてきたように、時代が変われば、出会いのカタチもかわるもの。大切なのは、そこに人がいるということ。オフラインでもオンライでも、そこに生身の人間が居さえすれば、恋愛感情は生まれるし、その感情もリアルであるはず。

ネットでの出会いを描いた本作も、面白いのは、結局二人がブリザードに閉ざされた街の一部屋で、仕方なくではあっても、顔を突き合わせてとことん語り合うところ。これって、恋愛映画としては古典中の古典。この映画がリアリティに溢れているのは、ひじょうに現代的な出会いのカタチを描きながらも、感情の移り変わりを昔ながらの会話劇で表現しているところ。つまり、この作品そのものが表現していることこそ、最終的には、人が誰かに抱く感情は、出会い方にかかわらず、昔から変わることがないということなのです。嫌い、好き、大嫌い、大好き。その気持ちさえ大事にできれば、その恋愛はリアルなのですから。

《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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